帰郷と一歩 ノウムカルデアの活躍により地球白紙化は解決した。
その偉業の中心人物の一人、カルデアのマスター藤丸立香は本来ならばその重要性から二度と故郷には帰れないと思われていた。
だが、人理焼却の頃から今に至るまで彼女が日常に戻れる事を祈り尽力してきたカルデアスタッフ達の努力と改竄の甲斐があり、護衛を付けるという条件はあるがとうとう藤丸立香は自分の生まれ故郷に戻る事が許された。
藤丸本人も「正直帰れると思ってなかったよ……」と驚きと困惑の中に確かな喜びを滲ませはにかんでいる。
そこまでは良い。それはとても善い事だ。
しかし何故、その藤丸の護衛役に選ばれたのが自分なのかとデイビット・ゼム・ヴォイドは疑問を呈さざるを得ない。
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