月と太陽の共鳴り「これでもう俺はお役御免だな」
冗談のつもりで言った。
つもりというのは、好きな人が自分以外の人と結ばれることに正直ヤケになっていたため、半分本気で言っていたところもあるからだ。
「?それってどう言う意味だ?」
円堂は本気で意味がわかっていない様子で、目を丸くしながら首を傾げている。
ああ、すまないとなんとか笑顔を作りながらも、円堂の方を見ずに続けた。
「豪炎寺が帰ってきた今、もう俺が居なくても円堂は大丈夫だなという意味だ」
そう、俺が想い焦がれて仕方がない人物である円堂が、恐らく俺と同じ感情を向けているであろう豪炎寺が帰ってきた今は。
少し意地の悪い言い方だったかも知れない。エイリア学園を倒すまで、雷門中を離れる気など無いのに、まるで直ぐにでも離脱するかのような言い草だった。
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