浅瀬に溺れる水は透き通り、陽光を受けてきらめいていた。
夏の匂いと蝉の声に包まれて、私たちは川辺にいる。
私は岩に腰を掛け、無邪気に水で遊ぶ小平太を眺めていた。
水面が光を反射し、その揺らめきが身体に映し込まれている。
「わははっ! 冷たい!」
小平太は笑いながら水をすくい、こちらへと飛ばしてくる。
頬や肩に飛び散る水しぶきに思わず笑みを浮かべると、それを見た小平太はさらに楽しそうに声を上げた。
「長次~! こっちこい!」
……無邪気だ。とても最高学年と思えないほどに、幼さを感じる。
そう思うのに、濡れた髪が頬に張り付き、滴る雫が首筋を伝うのを見てしまった途端、胸が焼けるように熱くなる。
心臓の鼓動が耳に響き、騒がしさは自分のものとは思えないほどだ。
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