クロディ追加5 店の外に出ると、斜陽が突き刺さり眩しさに目を細めた。日も傾きかけているというのに、職人の町に立ち並ぶ尖塔のように空に突き出た煙突からは、相変わらず煙が立ち昇っている。
黒煙と西日を受けて輪郭を金色に滲ませる雲のコントラストを見上げるクロードの後ろで鐘の音と共に扉が閉まった。視線を地上に引き戻すと、路地裏にディアスが佇んでいた。会計をしている間に店の外へ出て行ってしまったので、置いて行かれたと思っていたが違ったらしい。
ディアス。名前を呼ぶと赤い双眸がクロードを見上げる。店の出入り口は路地裏より少し高い位置にあって、普段見上げている長身の男のつむじが見える。慣れない位置関係は、クロードを不思議な気分にさせた。
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