白と空色の神殿に、鮮やかな赤と黄が咲いた。
かつて見た色彩に、どこか似ているのは気のせいだろう。宝石のような緑と青。すでにあせている色を、エーリュシオンは意識の外に追いやった。
ピシリと並んで立っている二人は、新たに使いとなる者たちだ。それらしい宣警をしようとして、しかし用意した言葉を見失ったようだった。
「……私たちが、その……」
「エーリュシオン様のお力になります!」
「そうだ、私もお力になりたいです!」
勢い余ったのか、前のめりになった二対の翼が、花のように咲き誇る。思わずこぼれてしまった笑みは、その誠意への答えになるだろうか。
クレイ。カマエル。
名前を呼び、「よろしく頼む」と二つの小さな手を取った。