邦「薫、ちょっといい?」
薫「ん?」
邦「彼女がここに残ることを了承してくれた」
薫「お?」
邦「正式に協力してくれることになったから」
薫「子供産んでくれるってこと?」
邦「……そうだ。謝礼のだいたいの金額も伝えた」
薫「ふーん……。え、てか税理士さんに何て説明すんの?突然赤の他人に大金渡すってなったら怪しまれるだろ」
邦「呪いのことは伏せて何とかするよ」
薫「あ、じゃあさ、弁護士介して慰謝料として支払うのは?俺が彼女を襲ったのは事実だし」
邦「示談でってこと?」
薫「そうそう」
邦「いや、それは………………ありかもしれないな。慰謝料としてなら課税の対象にはならないし……。口止め料としての側面が大きいからゼロでは無いだろうけど」
薫「じゃ、これでいこう」
邦「ただ先生達に支払う報酬を加味すると安くはないよ」
薫「でも直接贈与で出てく金よりは安いでしょ」
邦「まあ、そうだけど」
薫「跡継ぎを生んでもらう謝礼としてお姉さんに金を支払いたい。だけど表向きは俺が彼女を暴行した慰謝料と損害賠償ってことにして欲しい。先生方への説明はこれでいい?」
邦「お前が罪を負うことになるけど……いいの?」
薫「いや被るも何も、もうやっちゃってるから。あ、でも〜真っ当に結婚して子供を生めばいいのに何で大金払って他人に子供生ませるん?とか聞かれるかな?そしたら……ん〜そうだな〜……俺らもいい年だしそろそろ跡継ぎの子供が欲しい。けど今の恋人は結婚も子供も考えてない…。だから別の女性に子供を生んでもらう。その謝礼として金を支払う。こう言うのは?」
邦「相変わらず悪知恵だけはぽんぽん出てくるなあ……」
薫「その悪知恵に助けられてるくせに」
邦「……薫」
薫「何?まだ何かあんの?」
邦「ごめん。……いつも」
薫「……別にぃ。てか家のこと全部邦彦に任せっきりだしぃ」
直接贈与だと半分以上税金で持ってかれるけど、慰謝料には課税されない。が、口止め料としての側面が強かったり金額が相場を大きく上回る場合贈与とみなされ課税対象になることがある。らしい