自分がこんなにもスポーンを傷付けたこと。それは、仕方ないでは済ませられないような気がした。
いつもならあははと笑って受け流すスポーンが、あの時から口数が減り、憂鬱になり、最終的には横断歩道の真ん中で足を止めた。
それを知って初めて自覚した「俺のせいだ」という気持ち。心が痛かった。
......
スポーンはすっかり弱っていた。花は萎れかけ、冷蔵庫の中の果物は腐っていた。テレビのリモコンやキッチンには、うっすらとほこりが被っており、生活らしい生活をしていないことが分かった。
スポーンはただ、壁の方を向いて寝ていた。
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......
少し前のこと。
「バカ、何してんだよオマエ......!!」
車に轢かれそうになったスポーンを庇って歩道へと転がる。少し強く当たりすぎたためか、お互い軽い怪我をしてしまった。でもその時は、膝の擦り傷には気が付かなかった。
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