シャリアの前髪をそっとかきあげたシャアは、柔らかな声で「おはよう」と朝を告げる。
「…お戯れは程々になさってください、大佐」
ここ最近、シャアは毎朝シャリアの髪に触れては、その隠れた瞳を覗き込むことに夢中である。
「ふふっ、興味本位で触れたものが、いつの間にか日課になってしまったな」
「私の髪をカーテン代わりに遊んでおられるのではありませんか?」
「ならば君の瞳は、部屋に差し込む光だろうか?」
ふざけた物言いを…と思いつつも、大佐には甘いシャリア。特に咎めることもせず、その場を過ごしてしまう。
─そして、夜。
「シャリア」
就寝前、シャアがシャリアの部屋を訪ねてきた。
「大佐、何か御用でしょうか?」
「寝る前は部屋のカーテンを閉めるものだろう?」
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