『夏祭り』シンク掃除を終え、エプロンを脱ぎ長方形に折り畳み近くの椅子に掛けて時計をチラリと見る。時刻は19時を過ぎた頃だった。
「あー!ちょっとユミピコ!!今のは卑怯だぞー!ふざけんな、死んだじゃんか!」
「…頭が高いぞ。神に対する信仰が足りないからだ」
「ねえー天堂さん、次僕と勝負しよう!」
テレビゲームに夢中になる3人にオレは声を掛ける。
「…ちょっと買い出し行ってくるわ」
車のキーを持って家を出る準備をしていると先程までゲームに夢中だった3人がにやりとこちらを振り返った。
「……愛だね!」
「…愛だな!」
「…ああ、愛だな」
「うっせ!買い出しって言ってんだろーが!!」
車のキーを弄りながらオレは反論の声を上げる。
「まぁ、なんでもいいけど明日の朝までには帰ってきてね〜」
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