『まるで、貴女のようで愛おしい』「水族館、良いものですね。センターと同じくらい暗くはありますが、かび臭いわけではありませんし。何より水中、海というのは未知との遭遇に関する逸話が多い。例えば…」
「と、とりあえず、喜んでもらえて嬉しいです!私も、水族館好きなんです!綺麗でなんだか落ち着きます」
「そういえば、ジャスミンは誘わなかったのですか?」
「あのっ!いやその…誘ったんですけど『あたしにはゆっくり見て回るのは向いてない』って」
「………彼女なりの気遣いということですね」
「えっ?」
「それよりあざみさん、私、海月が見たいのですが案内していただけますか?」
「はい!センター長さん、海月がお好きなんですね!」
「ええ、自分から泳ぐことは出来ず流されてしまいますが、どこまでも透明で素朴な華やかさもある。生物の在り方としてどこか芯を感じさせてくれます。まるで…」
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