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野暮である。
そう思って残った結果がこれだ。
ヒュ―ベルトはわざとらしく大きな舌打ちを響かせたが、それに反応したのは柱の陰で怯えているベルナデッタだけだった。
事の始まりは数十分前に遡る。
星辰の月、25日。
ガルグ=マクの落成を記念する本日、大聖堂では舞踏会が行われていた。
生徒たちだけでなく教師たちも、加え騎士団員までもが今日という日に浮かれている。
ヒュ―ベルトの主たるエーデルガルトもまた、平静を装いつつも浮足立っていることにヒュ―ベルトは気付いていた。
だからこそエーデルガルトが女神の塔へ歩いていくのを認めようとも、彼は後を付けなかった。
しかし、かといって主の帰りを待たず引き上げるのも忍びない。
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