【ラギレオ】◯売ヤー ラギー・ブッチの恋 コンビニの店員に、支払い用のバーコードの画面を見せて、愛想笑いで言った。「お願いするッス」
「失礼します」ぴ、と読み取った金額は、オレの一年ぶんの食費をゆうに上回る。買うのは、某有名ブランドのスニーカー、それも購入制限いっぱいの三足も。発売前から争奪戦が予想されていた人気モデルで、通販サイトはものの数秒で陥落。オレもダメ元でブラウザの更新ボタンを連打していたが、まさか買えるとは思っていなかった。
届くのはおそらく一ヶ月ほどあと。オレはとある知り合いにメッセージを飛ばした。もちろん靴に拘りをもつフロイドくんでは、ない。彼に売りつけるには、リスクが高すぎる。ややあって、同級生ではない、その彼から電話がかかってきた。
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