はっぴーまみー 新天地、自室にて。比治山が今日も疲れたと部屋で寛いでいた時のことだった。部屋のチャイムが鳴り、誰かが訪ねてきたことを知らせる。事前に連絡もせずに訪ねて来る奴など一人しかおらんと確信してドアを開くと、
「比治山くん、Trick or Treat!」
そこには全身を包帯でぐるぐる巻きにした沖野が楽しそうに立っていた。
『はっぴーまみー』
「お、おき! き、貴様! な、なん!!」
「なんだその格好は、って言いたいのかな?」
投げかけたい問いはうまく言葉にならなかったが、答えてほしい本人が代弁する。その言葉にぎこちない動きで何度も頷く様子がおかしいのか、沖野は徐々に笑い出した。
「ふ、ふふ、比治山くん、そんなに困惑しなくても」
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