すごいねこうこうせい奇病論破
細流るる
16歳 バードウォッチャー
サヴァン症候群
「るる、うそつきはきらいだよ」
小学生の頃から田舎の祖父の元で暮らす。
読み書き等は両親の努力の甲斐あって習得。
ウォッチングのレポートは学習障害の影響で幼稚な文面にはなっているが、スケッチや内容は大変精密で素晴らしく、彼女の住む環境の鳥たちの生態系が網羅されていた。
祖父の添削の元、学会へ提出。受理と同時に超高校級の称号を得る。
現在は絶望した世界で仲間と共に希望の鳥を探している。
仲間の死、世界の荒廃。未だ現実を受け入れきれない部分も多く、ストレスによる抜毛症は治っていないが、生き残った仲間達に支えられて生きている。
小さな幸せは、確かに彼女に止まっている。
ジャクニクロンパ!
多辺田井智弘
18歳 美食家
蝙蝠、蟷螂、蜘蛛のキメラ
「それこそ命が勿体ない話だ!」
礼節を重んじるテーラーの家で生まれ育つ。小学生の頃に錯乱した貧困層の友達に脚を喰われた事をキッカケに、様々な生き物や食べ物への食欲的興味を持つ。
若くして丁寧な評論と食への真摯な姿は数多の料理人や食通に届き、美食家として超高校級の称号を得て名を広めた。
コロシアイに巻き込まれ、美しく生きる者として必死の抵抗を試みたが内通者により恋人の毒を利用されるという屈辱的な死を遂げる。
今も彼女は命ある者たちを見守り、人と獣の平穏を祈っていることだろう。
アワーズロンパ
ラアル"Round and Round"
16歳 曲芸師
魚人
「想いも願いも成せるのさ。空だって泳げるし、海も飛べるんだ」
人間の元で飼われ、曲芸師として育てられた少年。天真爛漫で大胆な性格。人間以上の動きや芸を披露でき、様々な街で観客を沸かせ続けてきた超高校級に匹敵する才能を持つ。
しかし、コロシアイに集められた人々は自分含めて全て黒幕の作ったアンドロイドだった。
残った仲間達と黒幕との奮闘の末、コロシアイの終幕を迎えられた。
その後は黒幕と同等の技術を持ったお世話ロボットに人の身を与えてもらい、晴れてラアルは「人間として生きる」ことも「共に生きたい人と一緒に過ごす」ことも成せたのだ。
散っていった仲間達と過ごした時を胸に、彼は物語の先を輝かしく生きている。
2022/06
スーパー奇病論破2
湖水みかがみ(KYOU-MAN)
18歳 ネットミュージックアーティスト
内臓逆位(+奇形症候群)
「僕には何が足りないんだ」
腕も内臓も寿命も、産まれながらの足りない子。それを自他共に自覚しながらも苦悩し、生き様全てを音楽に変換して一流となった才能者。周りの高い評価と自身の足りない身体への葛藤に板挟みにされていた。
病棟での記憶を消され、唯一の希望であった最後の闘病生活が無くなることで彼の死への恐怖と生きたい想いは日に日に強まっていく。
そこをモノ枠に付け込まれ、内通者として行動を開始。そして黒幕の「表向きの退場の手引き」として、免罪による死を与えられた。
KYOU-MAN・湖水みかがみは無念の死であったが、彼の音楽と言葉は誰かの中で必ず生きている。
何かが足りないからこそ、人は人でいられるのだ。
彼は恵まれた少年だった。