ひとりホリデーシーズンという事で、学園は長期休暇に入った。
僕──カルロッタは、帰る家も無く学園でホリデーを過ごすことにした。
学園に残ってる生徒もちらほらいるので、いつもの騒がしさは無いものの、誰かがいることにほんの少し安心した。
ししょーも兄さんも姉さんもいない、久しぶりのひとりぼっちだった。
こういう時に、ああ、友達を作ればよかったと思う。
しかし僕は、友人より勉強を取ってしまったのだ。
ここには口うるさい講師も、叩いてくる講師も、冷える冬に外に放り出して放置する講師もいない。
学園に入る前は、それはそれは地獄だった。
毎日のように勉強、出来が悪ければ体罰。
どうせあの施設の人々は「出来のいい光」が欲しかっただけだろうに。
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