師の心、弟子知らず【ピッコロ視点】未来
『ピッコロさんと一緒なら大丈夫だよ、ね?』
弱気ながらも確信と覚悟を持って振り返る幼子の時も。
『ピッコロさん!へへ、今のどうでした?』
片鱗を見せる強すぎる力を制御して見せる自慢気な笑顔も。
『ピッコロさん。僕に任せてください』
大きくなった背中越しに見る勇ましい顔つきも。
悟飯は俺を師だと仰いでは、なんの疑いもなく信頼を向けた。
それは幾つになっても、悟飯がどれだけ強くなって、俺を追い抜いて行ったとしても、変わらない。
ピッコロさん、と呼ぶその声が俺を何度でも奮い立たせ、俺を悟飯の師たらしめる。
「ピッコロさん?」
瞑想のフリで干渉に浸る俺を覗き込んだ顔は大人になった今も、あのあどけないあほづらだ。
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