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    yuzu

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    yuzu

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    昨日の配信受けて書いてみたくなった_φ(・_・

    なんでも許せる人だけ、生暖かい目で見てください👀
    初心者なので許してね🔰

    #てんぶんのいち

    家出少年天くん?_________________________


    朝のダイニングに、トーストの匂いが漂っていた。

    急いで朝ごはんを食べていると天が起きてきた。

    「えー…、唯一、今日は朝ごはん作ってくれないの?」
    天が寝癖を残したまま、ふらりと椅子に腰を下ろす。

    「今日は寝坊しちゃって…。仕事も忙しいからごめんね。自分でお願いできる?」
    「えー、唯一が作ったやつが食べたいのに」
    「これから大事な会議があって、外せないんだよね…。ごめんね。」

    納得いかなかったのか、天は唇を尖らせ、わざとらしくため息をつく。

    「……じゃあいいや。今日は外で食べてくる」
    「…外で?……わかった。」

    そう言って、僕はパソコンの画面に戻った。

    このとき、天がスマホをテーブルの端に置きっぱなしにしていたことにも気づかなかった。


    玄関がバタンと閉まる音。
    時計を見ると、まだ午前九時過ぎ。

    「近所のカフェにでも行くのかな…」

     ――このときは、本気でそう思っていた。


    _________________________



    昼過ぎ、仕事の合間にふと思い出した。
    「そういえば、天……まだ帰ってこないな…」

    スマホを手に取り、メッセージアプリを開く。
    《今どこにいる?》と送信


    ――既読がつかない。


    あれ…


    電話をかけても、「おかけになった電話は電波の届かない場所に――」と無機質な音声が流れるだけ。

    普段の天なら、既読は早い。
    返事が来なくても、既読はすぐにつく。

    「まさか……」

    嫌な予感が胸を締めつけた。
    今日は休みだと言っていた。
    そういえば、朝から様子がおかしかったかもしれない…

    もし天に何かあったら――。


    _________________________


    会議の資料を机に放り出し、上司に「急用で外します」とメッセージをいれて家を飛び出した。

    商店街や駅前を歩き回る。

    「すみません、この人……今日見ませんでした?」

    スマホに保存してある天の写真を見せながら、行きつけのカフェやコンビニを回る。

    店員たちは首を横に振るばかり。

    胸の奥がざわつく。
    今まで何度も「外で食べてくる」と出かけたことはあった。

    けれど、今回は――何かが違う気がした。

    「……天、どこ行ったんだよ…」

    足早に次の場所へ向かう。

    夕暮れが近づき、空の色がオレンジ色に変わっていく。


    _________________________


    スーパーの角を曲がった瞬間、見覚えのある後ろ姿が目に飛び込んできた。

    薄いパーカーに短パン。片手に紙袋、もう片方にケーキの箱。

    「――天!」

    声が裏返るほど大きくなった。
    振り返った天が、きょとんと目を丸くする。

    「⁈ …唯一? なんでそんな息切らして……」
    「どこ行ってたんだよ! 昼から連絡も取れないし、探しまわったんだよ!」

    周囲の視線も構わず、僕は天を抱きしめた。
    抱き寄せた身体はほんのり冷えていて、思わず力がこもる。

    「ちょ、ちょっと待って……俺、ただ買い物してただけ……」

    「スマホは?」

    「あ……机の上に置きっぱなしだったかも」

    僕は脱力し、額を天の肩に押し付けた。

    「……天、本当に……心臓止まるかと思ったよ………。」

    天は一瞬だけ驚いたように黙り、そして小さく

    「ごめん」

    と呟いた。


    _________________________


    家に戻ると、テーブルの上には天が買ってきた苺タルトが並べられた。

    「これ、近所で美味しいって人気のやつ。朝の…ちょっと悪かったなと思って」
    「……そんなこと…僕こそごめん…。」

    僕は深いため息をつきながらも、胸の奥の緊張が解けていくのを感じた。

    「天、スマホ持ってて…。どこにいるのか分からないのは、本当に怖い」
    「……そんなに心配してくれたの?」
    「当たり前だよ!天は……僕の家族で、大事な人だから」

    天はにやりと笑って、フォークを差し出した。
    「じゃあ、あーんしてあげる。機嫌直して?」

    僕は呆れたように笑い、差し出された苺を口に入れる。

    甘酸っぱさと、天が帰ってきた安堵が同時に広がった。


    _________________________



    夕食後、タルトの空き箱を片付けながら天に目をやった。

    毛布にくるまって、膝を抱えて座っている。
    なんとなく視線を逸らし、唇を尖らせているのが分かる。

    「……怒ってる?」
    「別に怒ってない。ただ……」
    「ただ?」
    「心配しすぎだよ、唯一。俺、そんなに危なっかしくない」

    僕は笑って、隣に座り直す。
    天の肩に毛布ごと腕を回し、その頭をそっと撫でた。

    「僕にとっては、天が一番危なっかしいんだよ?」
    「……それ、甘やかしすぎ」
    「そうかもね。でも、一生甘やかす」

    天の耳がほんのり赤くなったのを見て、胸がくすぐったくなる。

    優しくキスを落とし、甘い夜にとけていく_______


    _________________________



    家出少年天くん  義兄弟ラブラブEND
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