【P5夢】His palace(前日譚)※明智視点 R18その夜はどうしてその気になったのか自分にもわからない。
僕の知らない場所での話をする彼女に意地悪したくなったのかもしれない。
いやもっと違う……そう、あいつの名前が出てきたからかもしれない。
『リーダーね、授業が自習になったとき教室で潜入道具作ってるんだよ?びっくりしちゃった』
その光景を思い出すかのように微笑む彼女。
いつもの僕だったら「教室でそんなことして馬鹿なやつだね」とかなんとか言うはずなのに、それができなかった。
彼女にはどうにもできないこと――例えばあいつと同じ学校、同じクラスであることから始まって、
あいつのことをリーダーと呼ぶことも、
授業中にあいつのことを見ていた事実も、
自分とふたりきりのとき、よりによってあいつの話題を出すことも。
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