ハンドクリーム分け合うロビ「あ!」
ロビンは、食堂のテーブルでひとり声を出した。その後ろから、オリアスがひょいと覗き込んでくる。
「なに、どしたの?」
夕食が済み、教師達はそれぞれ自室やリビングに行ったため食堂は静かだ。ロビンと洗い物を手伝っていたオリアスの二人きりだった。
「オリアス先生、手! 出してください」
「こう?」
オリアスは言われるままに両手を差し出した。
そのあまりに無防備な仕草に、ロビンは表情筋が蕩けそうになる。だらしない顔がバレるとオリアスが不機嫌になるため、堪えるために頬の内側を噛んだ。
彼はパーソナルスペースが広いしスキンシップも好まない方だ。警戒心も強く、家系能力を切っているとそれが尚更顕著になる。そんなオリアスが、疑わず手を出して触れさせてくれるのが嬉しくてたまらない。
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