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    thiramisu10like

    @thiramisu10like
    何でも許せる方向け。

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    thiramisu10like

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    昨日あげたやつの続き。
    何でも許せ方向け。

    2.ファンタジー赤黛「疲れたから寝るわ。お休み」
    「うん、ゆっくり休んでくれ」
    赤司はそう言って部屋の電気を消すと黛の隣に潜り込む。黛は少しだけ顔をしかめたが文句を言う元気もないらしくすぐに眠りについた。こうして二人の逃亡生活が始まったのだった。
    黛が赤司と共に旅を始めて数か月が経った頃、ある事件が起こった。買い物に出かけた帰り道、黛が一人で歩いていると突然後ろから何者かに襲われた。
    「……っ!!」
    咄嵯の出来事に反応できずにいるうちに黛は意識を失った。
    次に目が覚めるとそこは見知らぬ部屋の中で、目の前には見知らぬ男が立っていた。その男の背後にある大きな窓からは夕焼け空が見える。そこでようやく自分が誘拐されたのだということに気付いた。黛はすぐに起き上がろうとするが、身体が動かない。腕を見ると頑丈そうな縄で縛られていた。
    (しまった……!)
    完全に油断していた。ここ最近誰かに狙われることもなかった為油断していた。自分の迂闊さに腹を立てながらもなんとかこの状況を切り抜ける方法を考える。
    (まずは相手の目的を知る必要があるな……。目的は金か? それとも追手か?)
    金目当てならば交渉の余地はあるが、追手の場合は厄介だ。黛は静かに呼吸を整えながら思考を続ける。相手の目的はわからないが、どうにかして隙を見つけなければならない。しばらく沈黙が続いた後、男が口を開いた。
    「お前が赤司様の女か」
    「……は?」
    あまりに予想外の発言に黛は一瞬固まってしまった。こいつは何を言っているんだ?
    「お前が赤司様の女なのかと聞いている」
    男はもう一度同じ質問を繰り返した。どうやら聞き間違いではないようだ。
    「何の話をしているのかわからないんだけど。オレは男だから違うと思う」
    黛は警戒しながらも正直に答えることにした。下手に嘘をつくより素直に話した方が得策だと踏んだからだ。
    「女じゃない? じゃあお前はなんだ」
    「いやだから男だ」
    「男……」
    男は黛の身体を上から下までじっくり観察し始めた。黛はその視線に居心地の悪さを感じながらも表情を変えないように必死に耐えた。やがて納得したのか男は一つ大きく肯くと言った。
    「なるほど。お前は赤司様の女ではなく、男娼というわけか」
    「……」
    黛は思わず頭を抱えたくなった。どうしてこうなった。赤司とはそういう関係ではないし、そういったことをした覚えもない。何故そんな誤解を受けているのだろうか。
    「でもオレは男娼でもないし、人違いだから開放してくれないか」
    「駄目だ」
    あっさり否定されて黛は心底困り果てた。これは説得するのは無理そうだ。何とか逃げられないものだろうか。
    「なんで駄目なんだよ。そもそもアンタらは誰なんだ?」
    「オレたちは帝都の者だ。赤司様に命令されお前を連れてきた」
    「は……? どういう意味だ? 赤司と一緒にいたのに赤司がオレを攫うように命令しただと?」
    「む、そうではない。お前を連れてくるように命じたのは弟君の赤司様だ。お前といたのは兄君だ」
    「……え」
    黛は自分の耳を疑った。赤司の弟といえば帝都にいるはずで、これから頼る予定だった相手だ。それが自分を連れ去るように指示を出したというのは一体どういうことだ。混乱している黛を余所に男は淡々と続ける。
    「赤司様はお前を見定めるとおっしゃっていた」
    「見定め……? なんでオレが……」
    (……オレが裏切り者の末裔だからか? そりゃそうか、そんなやつと兄が一緒だなんて嫌だろうしな)
    黛が自嘲気味に考えていると男は不思議そうな顔をしながら問いかけてきた。
    「お前は赤司様のことを何も知らないのか?」
    「赤司様って弟のほうか? そりゃ会ったことないからな……過保護だとは聞いている。兄の方は……よくわからない」
    何故か自分を助け出してくれた赤司とは、もう随分一緒にいるが何故かとても好かれているということ以外は殆ど何も知らなかった。まぁ特に知りたいと思ったこともなかったのだが。黛の言葉を聞いた男は眉間にしわを寄せると低い声で言った。
    「赤司様は次期皇帝になるお方だぞ」
    「へぇ、それはすごいな」
    黛の反応を見た男は呆れたような顔をすると盛大に溜息をついた。
    「お前は何も思わないのか」
    「別に。興味ないしな」
    「……お前は変わっているな」
    「そうかもな」
    黛の返答を聞いて男は驚いた様子だったが、それ以上何か言ってくることはなかった。黛も黙っていると再び静寂が訪れた。どれくらい時間が経っただろうか。しばらくして男がぽつりと呟いた。
    「……もうすぐ赤司様がお見えになる。弟君の方だ」
    「ああ、さっき聞いたよ」
    「覚悟しておくといい」
    「覚悟ねぇ……」
    その時扉の向こうから足音が聞こえてきて、黛は慌てて口をつぐんだ。程なくしてノックもなくドアが開かれる。そこに立っていた人物を見て黛は目を見開いた。そこには燃えるような赤い髪を持つ美少年がいたのだ。張り詰めた雰囲気と左の黄金の瞳以外は黛の知る赤司と何もかもがそっくりだった。
    彼は無言のまま室内に入るとゆっくりとこちらに向かって歩いて来た。そして黛の前で立ち止まると冷たい瞳で見下ろしてくる。
    「初めまして、かな? お前が噂の黛千尋か」
    「……はじめまして、黛千尋です」
    黛は冷や汗を流しながらもなんとか挨拶をした。まさかこんな床に転がされた形で初対面になるとは思ってもみなかったが、仕方がない。それにしてもこの威圧感は何なのだろうか。確かに只者ではなさそうだが。しかしそんなことを考えている黛とは対照的に目の前の人物はとても落ち着いており、冷静そのものといった態度だった。
    弟の赤司は黛を連れてきた男を下がらせると、まるで値踏みするように黛を観察し始めた。その視線を受けて黛は居心地の悪さを感じていたが、相手が口を開くまでは我慢することにした。やがて観察を終えたらしい赤司が口を開いた。
    「ふぅん……。あいつが気に入るのもわかる気がするよ。お前はとても美しいね」
    「……はい?」
    あまりにも予想外すぎる言葉に黛は固まってしまった。今自分は褒められたのか? 美しいと言われたのか?
    「あの……ありがとうございます」
    とりあえず礼を言うべきかどうか迷ったが、一応礼儀としてお礼を述べることにした。すると赤司はくすりと笑うと拘束を解いて黛に手を差し伸べてきた。
    「立てるかい?」
    「あ、はい……」
    差し出された手を掴んで立ち上がると、長い間縛られていたせいでうまく立てず転びそうになってしまう。そのまま腕を引っ張られて抱きしめられる形になってしまった。突然のことに驚いて固まっていると、頭上から声が落ちてきた。
    「いい子だ」
    赤司の声には甘い響きがあり、背中に回されている腕にも力がこめられた。黛は自分が抱きすくめられているという状況に混乱していたが、それでも抵抗しようとはしなかった。むしろどこか心地よいと感じてしまっている自分に戸惑いを覚えていた。黛は恐る恐る赤司の顔を見ると小さく尋ねた。
    「時期皇帝なんだろ……ですよね? オレなんかに触れないほうがいいですよ」
    「敬語じゃなくて構わないよ。僕は気にしないから。それと僕に対して畏まる必要はない。名前も呼び捨てで呼んでくれてかまわないよ」
    「いえ、流石にそれはちょっと……」
    いくらなんでも時期皇帝を呼び捨てなどできるわけがなかった。戸惑う黛の様子に赤司は苦笑すると続けた。
    「しかし僕の兄も同じ立場だよ。兄のことは何と呼んでいるんだぃ?」
    「赤司って呼んでる」
    「じゃあ僕のことは征十郎でいいよ。ああ、名乗り遅れたね。僕は赤司征十郎だ」
    「え、でも……確か赤司も征十郎って……」
    「うん。僕達は同じ名前なんだ。色々複雑でね」
    「へぇ……」
    確かに複雑な事情があるようだ。それならあまり深く聞くのもよくないだろう。黛は納得して話を打ち切ることにした。それよりも聞きたいことがある。
    「それで征十郎、どうしてオレを攫ったりしたんだ?」
    「それはね、お前に興味があったからだ。僕はあいつを……兄を大切に思っている。だから彼に近付くものは誰であろうと自分の目で見定めることにしているんだ」
    「そうなのか……オレは合格ってことでいいのか?」
    「勿論だよ。お前は本当に綺麗だし、気に入った」
    「そっか、よかった。じゃあさっさと帰してくれないか?」
    「駄目だよ」
    「は!?」
    征十郎はぎゅうぎゅうと黛を抱き締めながら微笑んだ。黛は思わず大きな声を出してしまい慌てて口を塞いだ。しかし征十郎は特に怒った様子もなく楽しげに笑って告げた。
    「言っただろう? 僕はお前を気に入ったんだ。このまま城へ連れていくつもりだけど異論はあるかい?」
    「ある! 大いにあるぞ!」
    「却下だ」
    黛は必死に抗議したがあっさりと却下された。しかもいつの間にか腰に腕を回されて逃げられないようにされていた。これはまずいと焦りを覚えた黛だったが時すでに遅しである。征十郎は妖艶な笑みを浮かべると耳元で囁いた。
    「これからよろしく頼むよ、千尋」
    こうして黛は逃亡生活から一転、囚われのお姫様ならぬ王子様となってしまったーー。かと思ったが、その瞬間大きな音を立てて扉が開かれる。
    「こら!!! 黛さんを離せ!!! あーーー?! どうしてそんなに近いんだ?!!」
    「うるさいぞ」
    「いいから! 黛さんを離せ!」
    飛び込んできたのは今まで黛と旅をしてきた兄の方の赤司だ。征十郎と黛の間に割り込もうするが、征十郎はそれを軽くあしらうと黛を抱え直した。黛はというといきなりの出来事に目を白黒させている。
    「おい、何をやっているんだ」
    「何って……見ての通りだよ」
    「ふざけるな! 早く黛さんを返せ」
    「嫌だと言ったらどうする?」
    「力づくでも取り返す」
    二人のやり取りを聞きながら黛は自分の置かれた状況を思い出した。そういえばオレは征十郎に誘拐された身だったはずだ。なのに何故この二人に言い争われているのだろうか。黛が呆然としている間にも二人は睨み合いを続けていた。
    「ま、待てよ。お前たち兄弟なんだろ? オレのことなんかで争うなよ」
    「オレにとっては黛さんの方が大切なんです」
    「そういうことだ。諦めてくれ」
    「わかった。わかったから征十郎は一度離れてくれ……な?」
    「せ、征十郎!? お前! 黛さんに馴れ馴れしく名前を呼ばせるなんて……! オレだってまだ苗字でしか呼ばれたことないのに!!」
    「……」
    征十郎は黙ったまま黛を見つめていたが、やがて小さく息をつくと名残惜しげに離れた。黛はほっとしたが同時に赤司が可哀想になった。こんなにも慕われているのだ。きっと仲の良い兄弟なのだと思う。黛がそう思って眺めていると征十郎がこちらを見て話しかけてきた。
    「ところで千尋、実はおまえが眠っている間に帝都にワープさせてしまったんだ。滞在先は城がいいと思うんだけどどうかな?」
    「千尋? 今千尋って言ったのか?!」
    征十郎の言葉を聞いた途端、赤司は信じられないという顔になり征十郎を見た。征十郎は悪戯っぽく笑うと得意げに答えた。
    「そうだよ。ようやく兄君の許可が出たからね。これからはずっと一緒だ」
    「許可を出した覚えはない! 黛さんをそちらに連れていくという連絡をしたら、お前が勝手に黛さんを攫ったんだろう!」
    なるほど、征十郎が黛のことを知っていたのはなんてことはない、赤司が連絡をしたからだったのだ。黛は現実逃避を兼ねてぼんやりと考えた。しかし今はそんなことを考えている場合ではない。目の前では二人が口論を続けている。
    「だいたいお前はいつも強引なんだよ! 昔から自分勝手なことばかりやってオレを振り回す!」
    「お言葉だが兄君、僕は常に最善の道を選んでいるだけだ。それに振り回されていると言うけど、お前は僕に逆らったことなどなかったじゃないか」
    「ぐっ……」
    「それに今回も兄君の望み通りにしただけさ。これで文句は無いだろう?」
    「あるに決まっているだろう! どうして黛さんを攫ってくる必要があるんだ!」
    「それはもちろん彼が気に入ったからさ」
    「黛さんはまだ何も言ってないだろ! なんですぐに決めつけるんだ! だいたいオレが黛さんと二人で暮らすと話をしただろう!」
    「ふん、そのためには僕の力が必要だということを忘れていないだろうな?」
    「くっ……お前の力など借りなくてもオレ一人でなんとかしてみせる」
    「まぁそういうな。僕は何も千尋とお前を引き離そうなどと思っていないよ。二人で分けっこすれば良い話だろう?」
    「どういう意味だ」
    「こういう意味だよ」
    そこで会話は途切れ、次の瞬間には唇が重なっていた。黛は一瞬固まったが、すぐに我にかえると征十郎を引き剥がそうとした。しかし彼の腕力は強くびくりともしない。ならばとすがるように赤司を見てみれば、今度は赤司に口づけられた。黛は混乱したまま必死に抵抗するが二人はそれをものともせずにキスを続ける。そして数分後、ようやく解放された時にはすっかり抵抗する気力をなくしていた。黛は放心状態で地面に倒れ込む。
    「どうだい? なかなか気持ち良かっただろう?」
    「……」
    「すいません、千尋さん。誰も知らない場所で二人きりというのは叶わないかもしれませんが、オレはあなたのことが好きなんです。だからどうしても手に入れたかった」
    「……別にそれはいいが、キスする必要はなかったんじゃないか?」
    黛はよろよろと起き上がると二人に向かって呟いた。征十郎は肩をすくめると事も無げに言う。
    「必要は無かったかもしれないけれど、せっかくだから千尋も楽しめるようにしてあげた方が嬉しいかなと思ったんだ」
    「オレは嬉しくねぇよ……」
    「ふむ、そうか。なら次はもう少し優しくしよう」
    「次とかねぇから」
    黛は疲れ切った表情でため息をついた。するとそれまで黙っていた赤司が静かに口を開く。
    「オレたちはすこし面倒な立場にいるんだ。双子というのは不吉なものとされていて、弟とオレは同じ人間として育てられいた。それで……」
    「あ、ちょっと待て」
    「あ、すまない、ここでする話じゃなかったね」
    「いやそうじゃなくて。オレはお前ら二人といるつもりはないから詳しく話さなくていい」
    「えっ」
    「なんだと?」
    黛の言葉を聞くなり、二人は顔をしかめた。黛はそんな二人に構わず続ける。
    「正直、お前らの事情はよくわからないし興味もない。ただ一つ言えることは、オレといないほうがいい。ここまで連れてきてくれてありがとう。恩はきちんと返すつもりだが、ひとまずここで別れることにしよう」
    「……これは重症だな」
    「千尋さん、まだ自分を『裏切り者の末裔』だと思わずにはいられないんだね」
    「いや、別にそんなわけじゃないけど……。とにかくそういうことで」
    黛はそれだけ言うと歩き出そうとしたが、征十郎がその腕を掴んだ。
    「ならば僕がその国を消してやろう。そうすればそんなくだらない迷信は無くなるはずだ」
    「ちょっ……! お前何言ってるんだ! そんな簡単に消すとか言うんじゃねえよ!」
    「いいや、簡単なことなんだよ千尋。すごく簡単なことなんだ」
    「おいやめろ! 赤司、お前もなんとか言えよ! お前の弟だろ!?」
    「大丈夫だよ千尋さん。あなたが望んでくれるのであればオレはどんな手段を使ってでもその国を滅ぼすから」
    「違う! オレが望んでいるのはそんなことじゃない!」
    黛が叫ぶように言うと、赤司は寂しげに微笑んだ。
    「わかってる。千尋さんの本当の願いは……」
    「わー! もういいから黙れ! わかったから!」
    「ふふ、わかったよ。ではこの話はまたの機会に」
    「機会なんて無いからな!?」
    「国を消されたくないんだろう? なら千尋には城へ来てもうしかないよ」
    「ああもう……好きにしてくれ……。何でオレ脅されてるんだ……?」
    黛は諦めた様子で言うと深いため息をついた。征十郎はそれを見ると満足そうに笑みを浮かべる。
    「よし、では行こうか。さぁおいで」
    「まて、オレが連れて行く。千尋さんに触るな」
    「はいはい、二人で分けっこしましょうね兄君? ワープは僕が唱えるから」
    黛は赤司と征十郎にぴったりと挟まれ、そのまま二人に手を握られる。そして次の瞬間には視界が変わった。そこは先ほどまでいた森ではなく、煌びやかな部屋だった。
    「僕の部屋だ。ようこそ、千尋」
    「ここが……征十郎の部屋……」
    黛はきょろきょろと見回しながら感嘆の声を上げる。さすが時期皇帝の部屋というだけあって豪華な造りになっている。調度品も一級品ばかりだし、広さだって相当なものだ。しかしそれよりも黛の目を引いたのは部屋の隅に置かれた大きな本棚である。そこにはぎっしりと本が詰まっていた。しかも普通の本ではない。明らかに古そうなものや、装丁が特殊なものなどもある。それらは全て魔法書であった。
    「すごい数だな……」
    「ああ、これかい? 僕は魔法の才能があるみたいでね。小さい頃から勉強させられていたんだ」
    「ふぅん……」
    黛は目を輝かせながら本棚の前に立つとじっくりと眺め始めた。その様子を見て征十郎は小さく笑う。彼を大人びていると思っていたが、こういうところはまだ子供なのだと思うと愛おしさが込み上げてきた。
    (本当に可愛い人だ)
    「……オレこんなところ場違いだと思うんだけど。早く帰らせてくれないか」
    「そんなことはないさ。もうここはお前の家でもあるんだからね」
    「は?」
    「ほら、こっちへ来なさい」
    征十郎は黛の手を取るとベッドへと座らせた。それから隣に座って肩を抱き寄せる。赤司も当然のように反対の隣に座り、黛の腕をとった。
    「おいっ! いきなり何をするんだ! はなれろ!」
    「嫌だよ」
    「離さないよ」
    「くそっ……なんでこうなったんだ……」
    黛が困ったような顔で呟くと、征十郎と赤司は声を合わせて言った。
    「「運命だからだよ」」
    こうして、黛千尋の受難が始まる。
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