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    ssssshakure

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    ssssshakure

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    來潜と幾成
    部屋で寝落ちしている潜を見つけた來人は?な話

    無題 扉を開けて飛び込んだ光景にまず、これは夢かと思った。自室の中央にはローテーブルに一人がけのソファが三つ。その内の赤いソファは彼の定位置で、部屋にいる間は大体そこに座って本を読むか、爪を塗るかしている。
     そして今日も彼はそこに座っていたのだが、茶色いカバーの掛かった読みかけの本を片手に膝を抱えて蹲り、腕に頭を預けて目を閉じていた。どうやら、眠っているみたいだった。
    「潜?」
     寝息の一つも聞こえず、一瞬、死んでいるんじゃないかと思った。静かに眠る潜に、來人はそうっと近づく。試しに掌を口元へと寄せてみると、生ぬるい吐息が肌を撫でた。実は起きていてこちらをからかっている、という可能性も考えていたが、どうやら杞憂だったらしい。
    「……もし起きていたら、また機嫌を損ねてしまっていただろうな」
     潜は來人のことが嫌いなようで、顔を合わせるたびに不機嫌そうな顔をよくしていた。それか、口は笑っているが目に冷淡さを含ませているかのどちらかで、結局は好意を向けられていないということだ。それは、社員寮の同室で数カ月過ごしてきた今も変わらない。
     思わず、まじまじと寝顔を眺めてしまう。普段見慣れた眉間の皺はなく、淡泊な眼差しは瞼の奥に隠れている。目の下には長い睫毛の影に、うっすらと青紫色の隈ができていた。肌が白いからか、一度意識してしまうと余計に目立って見え、次第に痛々しさすら感じてくる。
    「ここ最近はライブの数も多かったから、潜も疲れが溜まっていたのかもな」
     先週はゴールデンウィーク。観光地では、旅行客のかき入れで大忙しだった。HAMAツアーズとしても各地区でイベントを開催し、來人らEv3nsもアイドルとして連日ライブ漬けの日々を送った。
     平穏な日常が戻り、ようやく休みができたものの、それもたった一日。來人はアイドル活動を楽しんでいるから苦ではないが、一日で体を休めろというのも酷な話である。
     二日前のレッスンの後に潜が、「疲れたから休む」と呟いていたことを思い出す。自ら疲れを申告するときの彼は、本当に疲れているときだというのは、Ev3nsのなかでは周知の事項であった。
     リーダー失格なんじゃない?
     ふと、來人の脳裏に潜の楽しげな声が過る。事ある毎に言われる「リーダー失格」という言葉は、來人自身の気持ちが沈むたびに、頭を擡げるようにして姿を現す。
     自分は運が良いようで、即断即決で行動したことの九割はうまく事が運んでしまう。モンキー・ケージに収容され、いつの間にかキングともてはやされるようになったときも、初めてのアイドル活動で強行したライブが、思いのほか反響が良かったときも、実力だけではなく運の良さも多少なりと作用していたのだろう。
     だが、潜という男に運の良さは通じなかった。彼は、來人が見えていなかった粗を探し、運の良さで乗り切るたびに零れ落としていったものを拾い集めて、來人の頭上に浴びせ掛けるのだ。
     そのたび來人の歩みは止まり、心も凍てつくような気分になる。挑発げに微笑む潜を睨みつけたい気分が湧き上がってくるも、ふと足下を見ると、來人にとって大切なものばかりが転がっていて、そのことを教えてくれるのも、また潜なのだと気付かされる。
    「……俺は本当に、リーダー失格だな」
     と呟く。大切なメンバーの不調に気付けない情けなさが、來人の心に染みてくるようだった。
     頭の中で一人反省会をしていると、潜が小さく唸り声を上げて眉をハの字にし、首を右から左へと動かした。しっくりくる体勢にならないのか、居心地が悪そうに身体も左右に揺らしている。
     流石にこのままにしておけない。指から落ちかけている読みかけの本を閉じ、潜の膝裏に腕を差し入れた。
     ぐっと持ち上げようとしたタイミングで「うぅん」とうめいたが、起きる気配はない。
     背中を腕で支え、よっと下半身に力を込めて立ち上がる。両腕に潜の全体重がかかり、右足がよろけるのを踏ん張って堪える。体格が同じくらいの男を抱えるのは、普段から身体を鍛える來人でもきつい。落とさないよう抱え直し、ベッドへと慎重に運んだ。
     柔らかいシーツへ降ろそうと膝を曲げたとき、潜の小さな頭が胸板にすり寄ってきたような、気がした。潜のお尻はベッドに、脚を背は腕で支えたままの中途半端な状態で、來人の動きが止まる。銀髪がかかった瞼は、閉じたままだ。
     こうして見ると、彼の寝顔は意外に幼いなと思う。下がった目尻や小ぶりな鼻がそう思わせるのか、小動物に対する愛おしさのようなものすら湧き上がってくる。
     案外、年下らしい可愛さがあるのかもしれないな。
     そんなことを直接口にしたら、一カ月は存在を無視されるだろう。彼が眠っていてくれてよかったと、苦笑する。
     潜をベッドに横たえ、シーツを掛ける。さっさと天幕を閉じて休ませるべきだと考えていると、潜の顔に目がとまり、あることに気付いた。
     來人は化粧に疎い。コスメブランドの広告の仕事をしてから、顔のパーツごとに使う化粧品が違う、ということを知ったくらいだ。來人自身も、普段から化粧をしない。
     しかし潜が毎朝、定位置のソファに座り、化粧をしていることは知っていた。あまりじろじろ観察してはいないが、手際の良さに器用なものだと関心していたからだ。
     そこで、自分が何に気付いたのか合点がいく。
     そういえば潜は化粧を落としていない? このまま眠るのはよくないんじゃないか。
     確認のため顔を近づける。閉じた瞼の上にうっすらと灰色のキラキラが見え、化粧をしたままの状態だとわかり、來人は顎に手を当てて考え込んだ。
     潜は、毎夜のスキンケアも欠かしていないようで、傍から見て〝酔っている〟日でも洗面所で顔を洗い、スキンケアまできっちり施してから寝ている。
     ふと、仕事でしたメイクのままソファで寝落ちしていた太緒に千弥が「メイクしたまま寝るなんてありえないから!」と叱っていたことを思い出す。つまり、このまま潜に朝を迎えさせるのはマズイのかもしれない。
     來人は数秒考え、とりあえず潜の身体にシーツを被せ、リビングへと向かった。
    「幾成はいるか?」
    「自分はここにいる。何か用だろうか?」
     ちょうどキッチンから出てきた幾成と鉢合わせ、來人はこれでなんとかなりそうだと安堵の胸をなでおろした。
    「幾成、いま少しいいだろうか? お前に頼みたいことがあるんだが……」


     事情を聞いた幾成は、なぜか部屋ではなく洗面所へ向かい、手を洗うように促してきた。來人は意味がわからないまま手を洗い、連れだって部屋へと戻った。そこは出て行ったときと変わらず静かで、開いたままの天幕の奥に横たわる潜が見えた。相変わらず深い眠りについているのか、身動ぎ一つせず仰向けのままだ。
     幾成には道すがら事情を説明している。
    「潜が化粧をしたまま寝てしまった。どうすればいい?」
     説明の仕方が難しく、言葉足らずな説明になってしまったかもしれないと不安になる。なぜか手を洗いに行ったし。
     幾成は部屋につくなり、真っ先に入り口付近の小さな棚に手を伸ばした。そこは潜の私物スペースで、生活に必要最低限な物がひっそりと収納されている。
    「これが潜のスキンケア用品だ」
     幾成が持ち出したのは、持ち手の付いた白いツールボックスだった。中央に仕切りがあり、中には数種類の瓶、綿のようなものが入った透明なケース、金色の丸いケースなどが綺麗に収まっている。日々のスキンケアをオールインワン一つで済ませている來人からすれば、テーブルに置かれたケースを眺めたところで、どれが何かも検討がつかない。
    「随分種類があるんだな。日によって使い分けるのか?」
    「日によって使いわけるものもある。自分は、潜が肌を整える様子を何度か目撃しているから、これらの使用方法は理解している」
    「あぁ……、よかった。それなら安心だな」
     幾成を頼って正解だった。
     まずは、どれを使うのか訪ねる。幾成は一瞬考える素振りを見せ、ウェットティッシュのような白いケースを取り出した。
    「最初はクレンジングで化粧を落とす」
    「それはウェットティッシュじゃないのか? クレンジングといえば液状のイメージだが」
    「これはシート状のメイク落としだ。本来ならクレンジング、洗顔の流れが理想だが、現状の洗顔は難しいと判断する。このシートは洗顔が不要なタイプで、潜も時折使用している」
    「へえ、そんなものもあるんだな」
    「來人、これを」
    「え?」
     幾成からケースを手渡され、反射的に受け取ってしまう。困惑に眉が下がっているのが、來人自身もわかった。てっきり、幾成がしてくれるものだと思っていたから。「スキンケア製品に含まれる成分の多くは、人の体温によって肌への浸透率が変化する。つまり、自分よりも來人が適任と判断した。自分が教えるからやってみてほしい」
     そういうものか。
     シートを三回折り中指と薬指で挟み……と、幾成はつらつらとメイク落としの手順を説明していく。しかし來人は上の空で、直接肌に触れるのか、と心のなかで、ひとりごちた。
     來人を満たす困惑は、肌に直接触れていいのだろうかという戸惑いと、怖々した感情が混ざり合っていた。
     潜の冷えた眼差しを思い出す。もし彼が起きていたら、來人が顔に触れることを許さないだろう。唐突に、罪悪感で胸が痛みだす。こうなるのだったら、潜をベッドに運び、そのまま天幕を閉じてしまった方がよかったとすら思い始めた。
     來人は幾成に向かって首を振り、
    「俺は、触らない方がいいように思う」
     一瞬、幾成の目が見開かれる。
    「どうした、來人」
    「幾成もわかっていると思うが、俺は潜に良い感情を向けられていない。今さら何を言っているという話だが……。意識がない状態とはいえ、これ以上の接触は潜にとってむしろ、お節介だろう」
     幾成は顎に手をやり、何かを考えだした。どうしようか、次の行動を選択してるというより、何と言おうか迷っているように見えた。そして、じっと來人を見つめる。
    「正直、少し驚いている。來人がそのように考えているとは、想像していなかった」
    「はは。まあ、俺自身、慣れないことをしているという自覚はある」
     取り繕うようにして出た笑いは、いささか自虐じみていた。
    「來人の言葉を全て理解することは難しい。だが、言いたいことは伝わる。寝落ちしてしまった潜をベッドへと運び、化粧を落とし、スキンケアまで世話をする一連の行為を、自己満足ではと考えているのだろうか」
     自己満足。その一言は、來人の気持ちを端的に、針を刺すような痛みを伴って現していた。
     周りの人間に心を傾けていこうと気持ちを奮い立たせるも、行動がついていかないときがある。それは十数年で身についた悪癖でなかなか取れず、こうして行動を躊躇するたびに、誰かのために何かをするって、どういうことだろうと考えるのだ。
     嫌われないように、迷惑がられないようにという虚勢に足首を掴まれ、反吐が出る気持ちになりながらも、どう折り合いをつけたらいいか來人も答えを見つけていない。ただ、認めることもしたくない。
    「……どうだろうか。そういった側面があることは、否定できない。こんなこと、大したことではないのに、な」
     手の中で居心地悪くあるケースを差し出すと、幾成は黙って受け取ってくれた。しかし、ケースからシートを一枚取り出したかと思えば、三つ折りにして來人へ渡してきた。
     言葉を選ぶように、幾成の小さな口がゆっくり開く。
    「……おそらく、潜から今日の出来事は問われるだろう。ソファで眠っていたはずが、ベッドに横たわり、肌も整えてあるのだから。そのとき自分は、自分の判断で行ったことだと伝えるつもりでいる」
     來人は綺麗に折りたたまれたシートに視線を落とす。つまり、幾成は潜に嘘をつくということだろうか。アンドロイドである幾成と嘘を結びつけようにも、常識から外れているような気がした。しかし、幾成はきゅっと口角を上げ、穏やかに微笑んでいた。 
    「幾成……」
    「來人が潜のことを考えて動こうとしたことも、躊躇してしまったことも、理解した。來人の行動の根元には潜への思いやりがあると、自分は思う。たとえ潜に嘘をつくことになっても、來人が潜のためを思っていた事実は変わらない。それもまた、一つのビッグラブ。來人は、自身の内側で感情のあり方を模索しているようだ」
    「……わかるか?」
     幾成は頷いた。力強い頷きは、來人の背中を押すようであった。
    「自分も同じだから」
    「そうか」
     すっと思考が軽くなった気がする。
     來人はシートを受け取った。ベッド横に跪き、空いている手で額にかかる銀髪を左右に払いのけ、中指と薬指で挟み込んだシートを、そっと瞼の上に置く。
    「そのまま三秒ほど置き、目尻に向かって優しく拭き取る」
    「優しく……」
     力加減が難しくて、指が震える。見た目にも薄そうな瞼だ。触れているかいないかくらいで慎重にシートを滑らせると、瞼の彩りは消え、シートが灰色に汚れていた。
    「適切な力加減だ。汚れた部分を内側に折って、右の瞼も同様に拭き取る」
     両目、額、頬、唇と、箇所を変えながら少しずつ化粧を落としていく。最後に顎を拭き、來人はようやく肺に詰めこみ続けた息をゆっくりと吐いた。緊張から、額には汗がにじんでいるのを感じる。
    「これは、味わったことのない緊張感だな……」
    「まだ終わっていない。この後は、化粧水、美容液、目元用美容液、クリームと続く」
    「了解だ。ところで、二つも美容液があるのか?」
    「ああ。顔全体用と目元用で成分も異なる」
    「潜のこだわりが感じられるな」
     それから軽口を交えつつも、一通りのスキンケアを進めた。全行程を終わらせたころには、潜の肌は見た目にも艶を帯び、來人の中で、えも言われぬ達成感が芽生えていた。
     潤った肌の表面は冷たく、吸いつくような感触らしい。
     わかるだろうか。さまざまな成分を吸いきった手は、すでにしっとりしているが。
     來人は、そっと掌で包み込むように潜の頬に触れた。澄んだ水のように冷たい。けれど、奥からじんわりと生の温かさを感じる。そして、離れるときに頬が掌を追いかけ、ぺりっと小さな音がした。
    「ミッションコンプリート」
     一つの任務を終えた気分になったところに掛けられた一言は、まさにその通りで。來人はくつくつと笑いながら、そっと天幕を閉じた。

     
     ぱちりと目が開き、脳が瞬時に動き出しているのを感じる。すっきりとした目覚めが久しぶりで、もしかしたらまだ夢を見ているのかもしれない。潜は狭いベッドの中で瞬きを繰り返し、天幕の隙間から差し込む朝の光を受けながら、自分がしっかり覚醒していることを理解した。
     身体を起こせば全身が軽く、徐に頬へ触れてみれば自然な皮脂が肌を覆っているのがわかる。触れた指は白く、汚れ一つ付いていない。
     昨日は、どうしたんだっけ。
     記憶を辿り、化粧をまともに落とさないまま意識が途切れたことを思い出す。服装は昨夜のままだ。
     がたんという物音を聞き、ベッドと部屋を仕切っていた幕を開く。
    「おはよう、潜」
     幾成が棚の整理をしながら、平坦な声で朝の挨拶をする。潜は「おはよう」と返し、また昨夜のことに思いを巡らせた。
    ——おそらく、プルシュがベッドに運んだのだろう。僕を運べる人は限られているはずだから。
    「ねえ」
     呼びかけに幾成が振り向く。
    「これってプルシュがやったの?」
    「これとは」
     首を傾げる幾成がわかるように、潜は自身の頬を指で数回叩く。ああ、と幾成が頷いた。
    「昨夜、ソファで寝てしまっていた潜をベッドへ運び、化粧を落とし、スキンケアをしたのは確かに自分だ」
    「へえ、君ってオーダーがなくても、そんな風に気が利くんだね。知らなかったよ」
     押し黙った幾成が僅かに目をそらした。その動作が不自然で、潜は小さな引っかかりを感じた。
     アンドロイドである幾成は、情報処理が追いつかない複雑な回答に対して口を閉ざすことはあっても、今くらいの軽口は返せるはず。まるで、年端もいかない小さな子どもが、親に対して芽生え始めた罪悪感を隠す仕草に思えた。機械の彼に抱く印象ではないかもしれないが。
    「自分は、マスターからみんなと仲良くするようオーダーを受けている。Ev3nsのメンバーが安楽な生活を送れるよう努めることも、自分に与えられた役割と判断した」
     さらりともっともな返答をした幾成に、先ほどの違和感は感じない。気のせいだったか。
    「へえ、そう。なんにせよ、ありがとう、プルシュ。君のお陰で、僕は今日も美しくいられるよ」
     でも、と言葉を区切る。
    「次からは起こしてくれて構わないよ」
    「……承知した」
     かたん、と。幾成は手に持っていた最後の本を棚に仕舞い込んだ。こちらに身体ごと向きなおる。
    「自分は朝食を食べてくる。潜は?」
    「身支度をしてから行くよ」
     頷いた幾成が部屋を出て行き、潜は貼り付けていた笑みをはがした。
     喉に小骨が刺さったような引っかかり。居心地の悪さを感じながら、ベッドに腰を下ろす。すると、彼の鼻孔を覚えのある香りが通り抜けた。
    「は?」
     思わず声が出る。眉を顰め、くんと鼻で空気を吸い込む。嗅ぎ慣れてしまった香り。女を惹きつける、男の色気を孕んだ甘いラストノート。違和感がほどけ、思い至った憶測の細糸が潜の首をゆるく絞めた。
    「本当に、自己満足が好きな男だよ。お前は」
     深い溜息をついて目を閉じる。いやだ、いやだと嫌悪する理性とは裏腹に、頭の中には、もし自分が起きてしまったらどうしたのだろうという、空想が浮かぶ。
     困ったように眉を下げて、意外に器用な手を止める。こちらが何も言っていないのに、突然謝りだす。勝手なことをしておいてさ。そして、僕が黙って瞼を閉じれば、また手を動かし始める? お前は、どんな風に、僕の肌に触れた?
     潜は、やり場の呆然とした気分になった。想像に身を慄わせ、頭を振った。ばかばかしい。
     無性に身体を動かしたい気分になり、朝食は止めにして、トレーニングルームに行くことにする。誰もいなくなった部屋の窓からは日差しが差し込み、春の陽気で満たしていく。温められていく室内は、甘やかな香りに熟れていった。
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