超ド級サプライズ例えば、二人並んでラーメンを食べている時。
例えば、ポートエルピスで果てしない海とその先に拡がるホロウを眺めている時。
例えば、(ありきたりなハッピーエンド……)と思わせる映画を観た直後。
ふと、アキラくんの細く、白く、長い指が僕の頬に掛かる髪を掬う瞬間がある。
その度に、「………なあに?」と聞いてみれば「……どんな表情をしているのか気になって」なんて言う。真横からだと、長い髪が存外表情を隠してしまうらしい。
「………あんたと居る時は大抵ゆるゆるのにっこにこだと思うけど」
「そうなのかい?」
「そうだよ」
大切で、大好きな人と居られる時に顔を顰めている方が難しくない?
そんな気持ちを込めてつい、と唇を尖らせてみればまるで愛しい愛猫の仕草を慈しむかのようにくふくふと喉の奥で笑って尖った唇の先に柔らかな温度が触れる。
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