始まり(ボーイ&ガール)「ねぇ、クリスマスパーティしたくない?」
「え?」
中庭のベンチに座りボーっと月を眺めていたボーイの顔を覗き込んだのは、いつも元気はつらつ、天真爛漫といった様子のガールで。それはこの日も例に漏れず、ボーイは静かに唾を飲み込んだ。
「えっと……またパーティするの?」
「この中庭に雪を降らすの、良くない……!?」
目の前の女の子は言い出したら聴かないのだ。ガールはもはやボーイの言葉など聞いておらず、パーティの準備について、一人ブツブツと議論を始めてしまった。
「シェフに料理を頼みたいけど、なんて言ったら許してくれるかなぁ……プレゼントはタクシーさんに頼んで買い出しに行って貰うでしょ……」
ボーイはガールに聞こえないようにため息をつく。
ついこの前はハロウィンパーティで、その前はなんだったか……。
「ボーイにももちろん、手伝って貰うからね!!」
うん、知ってたけども。
ガールの笑顔に、今回もボーイは断れないのであった。
おわり。