二人(死死)「ねぇ死神……クリスマスパーティー、君は行くの?」
「ん?あんさん行きたいんか?」
そうじゃないけど、なんだか盛り上がってるみたいだからさ、見てよこれ。
そう言って死体が差し出したのは赤色の封筒で、中には子どもの字で「しょうたいじょお」と書かれたカードが入っていた。
当日は「ごちそお」が並ぶらしい。夜は「ぷえぜんと」交換会をすると書かれている。
子ども達が一生懸命書いた姿を想像し、死神は自然と口角が上がってしまう。
「エラい楽しそうやなぁ〜」
「でしょ?……ちょっと羨ましくなっちゃった」
机に頬杖を付いて少し俯く死体の顔は、死神からは見えない。
片手に持ったワイングラスは随分と中身が入っていて、それを口元に傾ける事を長らくしていないようだ。
今日一日そんな事を考えていたのだろうか?と死神は思う。
こんな狭く日も入らない部屋で一日中一人でいたら気が滅入るのは確かだ。
自分にはとても無理だと死神は確信している。
「……ぷえぜんと交換しよか?」
「え……いいのかい?」
振り返った顔が花が綻んだような笑顔で、死神は気合を入れてプレゼントを探すと心に決めたのだった。
おわり。