きっと治ると信じて「私」はある日、家で突然倒れて、病院に搬送された………そして家の人には、「私」がある大きな病気にかかっていることが知らされた。
---------------------------------------------------
「う、うぅ〜ん……ここはどこだ?病院か?何があったんだ?」
気がついたら私はまだ明るい昼間の病室で片腕を点滴に繋がれながら、なんとも言えない感情で横たわっていた。そこには医者ではなく、重音テトが立っていた。家に居候していたあのテトである。
「あ、目を覚ました!よかったあぁぁ……」
テトは軽く涙を流した。
「えっ来てたの」
私は突然の出来事に動揺した。突然すぎてこのまま寝たふりをして緊張を抑えようかとも思った。これは幻覚か!?もしや倒れてしまったから体がどうにかなったかもしれない。そう思ってしまった。
するとテトは、「来てるよ……、倒れて僕が救急車呼んで搬送されてすぐ病院に向かったよ……本当に目を覚ましてくれてよかった………」
テトは涙をハンカチで拭いながら、こう続けた。
「マスター、まだやりたいことがたくさんあるんだよ、出かけたり、勿論イチャイチャもしたいんだ……」
「テトさん………」
私は声を漏らした。寝たふりをしてやろうかと思ってしまったことを恥じた。私にはまだテトさんと一緒に曲も作りたいし、旅行もしてみたい………
テトさんは自分の大切なパートナーであり、恋人でもあるんだ………と。
「流石に明日は来ないよね…」
「明日?キミは実にバカだなぁ………キミが治るまでここにいるさ、だってキミは、誰よりも優秀なパートナーだろ?そして世界一のボカロPになると心に誓ってたじゃないか…」
「こっちも泣いちゃうじゃないか………」
私も涙を浮かべた。
「おっと、僕が悲しいこと言ってごめんな……別に僕が早く歌いたいとか言う気持ちでせがんでるわけじゃないんだ……とにかく今日は早く寝てくれ、それが一番大事だから、マスター、愛してるよ」
「私もテトさんのこと愛してるよ」
私は抱きしめようとして立とうとした。
「無理に立たないでいいんだ、抱きしめたい気持ちは山々かもしれないが、病気が悪化してもいけない。」そういってテトは点滴の繋がってない方の手を軽く握りながら、キスをした。
「マスター、いや、相棒、ゆっくり休んでくれよ、キミは最高のマスターだ。」
テトがこう静かに言った頃には、もう私はぐっすり寝ていた。テトは落ち着いた様子でベッドに腰掛けていた。その頃にはもう日も暮れ、日も薄っすらとしか見えなくなっていた。
テトは日が暮れても、寝ていても、ただ私の隣に座っていた。2人でまた笑い合える時が来る、その時まで………………