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    Lien0725

    @Lien0725
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    Lien0725

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    映画館行った時の実録交えたネタ。
    映画館にDP3観に行く夢主のDP夢。

    DP夢ネタ走り書き3 やっと、やっと。繁忙期を乗り越え、待ちに待ったお賃金支給日。
     んほおおおおお♡おちんぎん♡おちんぎんだいしゅきぃ♡おちんぎんの為だけに働いてるのおおお♡

     シフト最終日にもなるとようやく仕事の量も落ち着きを見せ、クソったれな職場はDV彼氏のように定時退社をプレゼントしてくれた。「お先に失礼します」を告げて颯爽と退勤をキメたのは当然として。
     世間のお休みムードを横目に歯茎を剥き出しにしたいのを堪えながら、時期のせいで跳ね上がった仕事量にキレ散らかしながら残業確定演出に発狂する日々。振替休日的なものは存在しませんのよ。クソが・・・・・・。

     それもこれも、楽しみを設定していればまあ吹き飛ぶというもの。真っ直ぐ帰宅してさっさと身体を洗って、目をつけていた映画館のスケジュールを確認する。

     デッドプール。ずっと前に知っていたキャラクターであるが、ついにリアタイで観に行く日が来るとは。私も歳を・・・・・・じゃなくて、大人になったものだ。
     
     ぐっすり休んで、昼はスマホで彼、デッドプールの「夢」を漁りながらゲヘゲヘする。
     最寄の映画館の上映スケジュールでは夜に一度だけ上映していたのだ。

     そうしていると、あっという間に時間がやってきた。

     その映画館は、ショッピングモールの中にあった。
     遅い時間帯なのもあって、駐車場はがらんとしている。人の気配もあまりない。
     しかし暑い。早めに来ておこうと急いだせいで汗だくだ。
    「げ」
     汗拭きシートを忘れてしまった。仕方なく、荷物に入れっぱなしだったウェットティッシュで体を拭く。
     ショッピングモール内にドラッグストアがあれば買おう。そう思い、入り口の自動ドアをくぐる。
     広々とした中はがらんとして静まり返っていた。入ってすぐ、通路の突き当りの壁で、シネマの文字が煌々と光を放つのが見えた。
     大きな階段と並んだエスカレーター横の案内板で目当ての店を探そうとし・・・・・・愕然とした。
    「え、ほとんどお店が無い・・・・・・」
     案内図の店名があるだろうそこに白いテープが上から貼られており、しかもそれが大量にある。店名が確認できる数の方が少ない程だ。
    「え、ここ潰れちゃうの・・・・・・?」
     数年来ない間に随分寂しくなったものだ。まあ、確かに結構駅から遠いし、今時はデパートだのが潰れやすいというし。
    「4DXもできるのに潰れちゃうとどうなるんだろ」
     機材とか運び出してどこかの映画館に引き継がれるんだろうか。目当ての店がないので仕方なく、そのままシネマへ向かう。
     つつがなくチケットを買い、わくわくしながらパンフレットを物色する。遅い時間ではあったが、上映時間が近づくとそこそこ人がやってきた。同じ映画を観に来た人々だろうか。
     ポップコーンを買おうと並び、いやいや先に用を足しておこうと列を抜け。スピーディにポップコーンセットを買って、そのキャラメルの香りを胸いっぱいに吸う。

     あと数分で上映だ。急いでチケットを見せ、カットされた残りを受け取り、スクリーンへ向かう。
     スクリーンの数字を見間違えて一分程迷ってしまった。存在しないスクリーンを目指そうとするな。どうやら残業による脳へのダメージは深刻らしい。

     明るい劇場に足を踏み入れる。ああ、わくわくする。勿論、席は中央ど真ん中。自分の座席に座り、スマホの電源を切った。マナーは守らなければ。
     予告版が流れる前にと、ポップコーンを食べた。どうせ放映中は音を立てないことに気を取られるし、その内食べるどころじゃなくなる。
     カリ、シャク。
     キャラメルに包まれ歯応えのあるそれは、映画館という特殊環境下になると旨味が何倍にもなる気がする。
     思ったより自分以外にも観客は居るらしい。がらんとした劇場で独り占め状態で観たかった気持ちもあったが、まあこれはしかたがない。
     まだか、まだかと待つ。もう放映時間は始まったのだろう。予告の映像達が一周し、段々焦れてきたような、時間感覚がおかしくなってきた頃――ついに、劇場内の明かりが落とされていった。

     そこからはもう、最高の時間。
     セクシーなダンス。時折観客側へ向けられるセリフや投げキス。赤いスーツに包まれたプリケツ。下品なジョークに飛び交う弾丸、血肉、暴力!
    (うわあ!面接シーンだ!!やめろ私は面接アレルギーなんだ!!)
     過去作のだろうキスシーンはちょっと目線を反らしてやり過ごす。キスシーンを未だに直視できない。気恥しいというか、気まずくなる。

    (ああ、やっぱりデッドプールはセクシーだなあ)

    (二人が別れたのってそういう・・・・・・ああ・・・・・・あぁ・・・・・・)

    (・・・・・・)

     物語も終盤になると、尻の痛みとも戦いつつ、釘付けになる。

    (え、そんな)

    (がんばれ・・・・・・)

     祈るように、心の中で応援する。

    (頑張れ!)

     気づけば、胸の内とはいえ、本気の応援をしていた。

     ・・・・・・そうして。物語は終わりを迎えた。エンドクレジットを超え、クスリと笑うシーンが終わり。少しずつ、劇場内が明るくなっていった。
    (はぁ~~~~~~・・・・・・)
     終わってしまった。けれど、彼の、デッドプールの世界はグッドエンドを迎えた。彼は世界を文字通り救った。

     少し頭がぼうっとする。映画を観ると知恵熱のように頭が熱っぽくなる。興奮するからなのか何なのか。物語を反芻しながら、帰り支度を始める。
     劇場の短い階段を降り、スクリーン番号の書かれた壁を見る。ライトの光がぽつぽつと照らす薄暗い通路には、勿論夢想したようにはいかず、デッドプールなんかいなくて。
    (・・・・・・。帰ろ)
     夢は所詮夢であると、ため息をついた。もう子供ではないのは、自分が一番よくわかっていた。

     時刻は23時を過ぎていた。ゴミを捨て、食べきれなかったポップコーンを荷物に仕舞う。ドリンクですっかり溜まった用を足している内に、利用客は自分のみとなったらしい。モール内はシンとしていて、自分以外誰もいなかった。
     出口へと向かう途中、ふと停止したエスカレーターが不気味に見える。
    (こういうのリミナルスペースって言うんだっけ)
     動かないエスカレーターに沿って、視線を二階の空間へ向け・・・・・・体の動きが止まった。
    「ハァイ♡」
     エレベーターの行き着く先で、人がこちらへひらひらと手を振っていた。赤いスーツ。背中には交差した二本の刀。間違いなく、その姿はデッドプール。
    「え、え」
     ああ、ああ、きっと、そうだきっと、コスプレイヤーさんだ。まさかこのあたりに彼のコスプレをする人が来ているとは!
     だってあれは夢、妄想だ。そんな訳ないじゃないか。しかしこんな時間にあんな所に行っていいのだろうか。
    「ぁ、こんばんは・・・・・・。そっくりですね!」
    「そう?アリガト!これ特注品なんだ」
     オーダーメイドでコスプレの衣装を作ったのかな。
     彼は一歩一歩、階段を降りてくる。
    「もしかして、声真似とかされてるんですか?」
     だって声までそっくりだ。ゲーム実況とかやってるのだろうか。
    「俺ちゃんの声にほれぼれしちゃった?」

    「🌸ちゃん」

    「・・・・・・・・・・・・・・・・・・え」

     なんで、私の名前、知って。しかも、本名、え、なんで。
     無意識に、足が後退った。
    「あれ?わかんない?まあそうか。ありえない~って考えてたもんね」
     いよいよ、階段を降りきろうとしている。あ。これやばい人だ。
    「・・・・・・ッ!!」
     逃げた。出口、早く外に出て助けを――
    「🌸ちゃ~ん?」
     すぐ傍で声がした。振り返って後悔した。ニコニコと、マスクの目を歪めてこちらへ軽やかに駆け寄るデッドプール。
     ゴンッッ!!!
    「ぐえッ!?」
     自動ドアに激突したらしい。あまりの痛みに膝を曲げてしまう。
    「いっっっつ・・・・・・ア”ァ~~~~・・・・・・!!」
     痛みを堪え、自動ドアのセンサー下に進み・・・・・・しかし、手はガラスにペタリとついた。
    「え」
     顔を上げると、ガラスに薄っすらと映る自分と目があう。入って来たそこが、センサーもうんともすんともしない。自動ドアが、硬く閉ざされている。
    「🌸ちゃん、大丈夫?頭ぶつけてたでしょ」
     デッドプール、もといコスプレした変質者がもう目の前に来ていた。慌てて立ち上がる。
    「誰かァ!!変質者!!変な人に追われてます!!おまわりさん!!警備員さん!!助けてえええええええ!!」
     たった二回来ただけのモールだ、どこにカメラがあるとか警備室の存在もわからない。カメラがありそうなところに必死に目を走らせながら、文字通り足でも走る。非常出口はどこだ!
    「えっ流石に傷つくんだけど!?どこ行くの🌸ちゃん?俺ちゃん手ぶらで帰る気ないからね!?」
     小さくなっていく背中を見ながら、マスクの白い目を歪ませて笑う。
    「いいぜ、愛の逃避行前、最後の鬼ごっこにつきあってやるよ♡」
     まるでおちょくるようにスキップしながら、デッドプール(不審者)は追跡を始めた。ニヤリと歪むマスクの目は獲物を捉え続け、その視線により獲物は一層恐怖心を増幅させられるであろう。

     かくして、コスプレ不審者(デッドプール)VS一般人による、突然の逃走中が始まるのだった。

     二分後。
    「オ”エ”ッッ!!」
    「いやどんだけ運動不足なワケ!?」
     最早走る方が珍しい彼女は、捕まる前に体の限界が来た。仕事だって肉体労働があるが、だからといっても走ることがない。突然の全力疾走に体がびっくりしてしまった。酸素の供給も追いつかず、吐き気とめまいで座り込んでしまう。

     逃げ出す背中を追いかけていたデッドプール(不審者)は、あっという間にヘロヘロとした走りになるのに「ん?」と眉を曇らせた。そうかからずヨタヨタとした歩みになれば苦も無く追いつき。必死に上下する小さい背中をおろおろと擦り、想定していたのとは違う空気に内心頭を抱えた。
    「しばらく座って深呼吸してな、ちょっと荷物借りるぜ」
    「さわっ、ウ”ッ!」
    「あ~~~あんたの財布から小銭出してそこの自販機で水買ってくるだけだから!俺ちゃんお金持ち歩かないの知ってるでしょ!」
    「はーッ、はーッ・・・・・・!!」
    「も~いいから大人しくしてて!」
     不審者から少しでも逃げようとズリズリと床を動くものの、自販機を往復するだけで簡単に追いつける距離。デッドプール(不審者)が自販機へ向かい、それでもとわずかな距離を稼ぎながら息を整える。

     財布を開く音。小銭を物色し、投入する音。ボタンを押す音。飲み物が落ちる音。自販機に手を突っ込む音。そしてこちらへ戻ってくる音。
    「ん、ほら。飲んで飲んで落ち着けって」
     ほら、と差し出されたペットボトル。
    「い”や”で”す”」
    「何でそんな嫌がるの!?俺ちゃん悲しい・・・・・・」
     えーん、しくしく。ウソ泣きバレバレの仕草をしながら、片手の隙間からこちらをチラチラ窺う。不審者でなければよかったのに。
     しかしこの状況になんだかむかむかしてきて、差し出されたままのペットボトルをひったくってキャップを開けた。ぐびぐび飲みまくって、息を整えて。

     ・・・・・・いや、認めよう。目の前の彼はコスプレ不審者ではなく、本物だと。この二分間だけで、恐らく彼が本物だろう証拠をいくつも見せられた。

     本物の銃。飛び出す弾丸、真剣の刀。おかげでモール内はめちゃくちゃだ。

     極めつけはマスクの下と、目の前で切り落として見せてきた指が、速攻でくっついたこと。
     ――ヒーリングファクター。実在しない、超能力。
     夢じゃないことは、自動ドアに強打した痛みが証明している。
    「・・・・・・」
     こちらが観念したことを察したのだろう。機嫌よさそうにデッドプールは目の前でしゃがみ込む。
    「さあ、夢がただの夢でなくなる時が来たぜ。俺がネバーランドへ連れて行ってやるよ」
     にぃんまり、マスクの目元を歪めて右手を差し出してきた。

     物語の中から飛び出して、つまらなくて辛いばかりの現実から連れ出してくれる。そんな夢物語が、現実になる魔法みたいな瞬間が、

    「あの、恥ずかしいデータ消すのと恨みのある相手ブッ殺してからでもいいですか」
    「ここは手を取るとこじゃん!!もう!!仕方ないからそれ終わるまで待っててあげる!!」

     夢のような世界へ行くのは、まだもう少しだけ先になる。
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