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    Lien0725

    @Lien0725
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    Lien0725

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    梅の花が咲き始めるともうすぐ春だ~~~~~~ってなるしぽつぽつ咲いてるのがいとをかしってなって最近思いついたやつ
    カゲハンお題に出したいけど上手く思いつかない。特に喋ることなくぽかぽか一緒に花見ながらのんびりしてるのもありだと思う

    花見「……あ、」
    里の外にある畑の見回りで、それを見つけた。色が無く寂しい木々の中にぽつんと現れたそれ。ほんの小さな、だけれど他のどれよりも鮮明な命の鮮やかさが目を引いた。
    「そうか、もう、そんな時期か」
    ハンターはガルクの背から降りた。共に背に乗っていたオトモアイルーもぴょこんと降り立ち、ガルクと揃って花を眺めた。
    寒冷群島や凍土程ではないが、寒冷期ともなればこの辺りにも当然寒く厳しい冬が訪れる。気温の低下に加え、食物の少なくなる季節。そんな季節に、梅の花が終わりを告げるようにぽつぽつと咲いていた。最近暖かい日が続いたのもあるだろう。酷く脆そうな、小さな花だった。白、赤、桃色と、疎らに生えた木の枝先に、雫のようにちょん、と花を開かせている。葉が落ちてから長い景色にそれは鮮やかであった。
    時期に、他の草木も一斉に若く柔らかな葉を伸ばし出すだろう。見渡せば、寒冷期を耐え抜いてきた木々はその枝に無数の蕾を抱いていた。
    春はもうすぐそこまで来ている。
    「帰ろう」
    再びガルクの背に跨り、駆ける。梅の花が咲いたなら、里の梅や桜も咲き始めてるだろう。依頼が舞い込んでいなければ、あの人を誘って花を見ながら茶でも飲めれば良い。そう考えながら、ハンターはガルクの背にしがみついた。

    がやがやと賑やかな里の中で、カゲロウはいつもの様に店を構えていた。「彼女」が英雄となってから、久しく途絶えていた客足が戻るどころか更に増え、今や里の者達はそれぞれが嬉しい悲鳴をあげている。ようやく訪れた安寧に誰もが手を挙げて喜んだ。
    客が途切れた頃には昼時を過ぎており、カゲロウは遅めの昼餉をとることにした。昼時を過ぎたのもあってか客は多くはなく、注文した団子もすぐに来た。団子と共に茶を出したヨモギに礼を述べて、カゲロウはゆっくりと湯呑みの温もりに息をついた。
    近頃は寒さが和らいできた。冬向けの品は仕入れを止め、在庫の分は売り切ってしまわねば。そんな事を考えながら、ふと視線を上に向けた。
    団子屋の桜の木に、ぽつりと花が開いていた。薄い桃色で瑞々しい花弁が美しい。カゲロウは複雑な思考を止め、桜に暫し見入った。
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