何か真夜中の黒いキツネくんは綺麗な漆黒の瞳を瞼に隠して穏やかな表情を晒して眠るのさ。
一組の寝具に赤い子の隣で手を握って眠るのさ。
赤い子はその姿に綻ばせて寝入る。
距離を少しだけ縮めて。
真夜中の赤いどあほうくんは澄んだ琥珀の瞳を瞼に潜めて無邪気な顔で寝言とともに眠るのさ。
黒い子の手を優しく握って眠るのさ。
黒い子はその姿をまじまじ見つめて、
絡めた指の甲に唇を落として眠る。
向かい合わせ、肌が触れそうなこの距離に互いの手のみ許して。
瞼をゆっくり開け、視線を交わす。
言いたいことは分かっている。
逃げないで逸らさないで。
オレをずっと見ていて。
黒で赤を覆い尽くしてしまいたい。
マーブル状に溶け合ってもいい。
混ざり合う様は個性的で美しい。
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