何か3感じる吐息、揺らぐ空気。
遠慮してんの?しなくていーぞ。
お前らしくねえ。
線を越えることがこえーのか。
賭けていた。
賭けに勝った。
重ねたてのひら。
最初に触れたのはお前からだった。
だから次はオレから。
瞼を開けて頬に触れた。
一組の布団で添い寝するなんてガキの頃ならまだしも、
今となっちゃあいつらともしねーよ。
合宿シュートの時は部室で雑魚寝したけどさ。
同じ布団はそれこそ、トクベツな奴じゃなきゃ。
意味、分かれよ。
どーしてこうなったんだろうな。
確か、雷が鳴っていて。隠れて身を縮こまらせていたらバレて。
「こっち来れば」って自分の布団持ち上げて。
それがきっかけ。
向かい合わせ。触れるでもなく、でも近くて。
今夜一石を投じた。
触れていーよ、触れたいよ。
オレだって欲しいから。
グッと距離を無くす。
したいこと、してくれよ。
応えたい、受け入れたい。
「…いーんか」
綺麗な漆黒の双眸に小さな光が射す。カーテンの隙間から薄明かり。もうすぐ朝がくる。
秒針の音が心音と同化する。とくんとくん。
ふっと頬を緩ませた。
「いーぜ」