ねじれて、絡まる 4浅い眠りの淵で聞いていた。
まるで泣いてるような声だった。
誰がこいつを泣かせてるんだって腹が立って仕方なかったのに、泣かせているのは他ならぬ自分だった。
「私を好きになって……」
その言葉に応えて好きだと言えたらどんなによかったか。
応えられず口をつぐんだまま寝たふりをして、結局俺はまた彼女から逃げてしまう——。
最低最悪のダメ男だ。
ねじれて、絡まる 4
だいぶ遅くなっちまった。
今週は事件続きだった。緊急の仕事がない限り全員顔見せ程度には出席を、と言われた飲み会を欠席するわけにもいかず、後回しにしてしまったデスクワークをなんとかキリのいいところまで片付けて職場を出ると結構な時間になってしまっていた。
小走りに……というわけにも行かず、杖を突きつつも気持ち足早に飲み会の席へと向かう。
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