ノノミツついにミツコの装甲外殻が欠けた。
生身を晒したミツコを見て、ノノカがぎゅっと手を握ってくる。
何度も繋いだ手、この五指を絡めて眠った夜も少なくない。ふたりで笑い、他愛のない話ができる、幸せだったあの日々。
もう、戻れないのだ。
ノノカの手は既に人間のソレではなく、歪で硬い皮がミツコの手を強く強く縛り付ける。
「ミッちゃん…ウチ…、イ、一緒に、」
握られた手に走るあまりにも酷い痛み、骨が折れ、肉に爪がくい込み、潰れていく。
それでも歯を食いしばってなんとか意識を保ち、ミツコはありったけの力を込めて叫ぶ。
「ノノカ!!!もうやめてってば……!!お願いだから、戻ってよ…!!!!」
もう息が持たない。
必死に叫べども虚しく、嗚呼、青が流れ込んでくる。
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