ちゃんとハッピーエンドにする予定の配団今日最後の配達は、うちの近所の団地だった。
インターホンが無いので、呼び鈴を鳴らし
「お届けものです」
と声を出した。
中から「はーい、お待ちください〜」と声がした。
部屋から出てきたのは小柄な男。
「ありがとうございます、暑い中ご苦労様です」
綺麗なブロンドの髪の毛、くりくりの大きな瞳、華奢で細い腰、まるで女のようだった。
ただの配達員である自分に対して、なんて無邪気に笑うんだろう。そう思った。
「ここにサインいいですか?」
「はーい、ところでお兄さんかっこいいね、いくつなの?」
「…………あの」
「あぁごめんね、僕みたいなおじさんにそんなこと聞かれたら嫌だよね?」
(おじさん……?)
聞き間違いかと思い、聞き直してみる。
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