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    Eucaly_yammy

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    Eucaly_yammy

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    ごめんやけど性格歪みまくってるので、人妻嶺ちゃんが旦那から暴力受けてる設定の配団が見たい。
    ※暴力表現あり
    ※プロットに加筆しただけなので読みづらいかもです…

    ちゃんとハッピーエンドにする予定の配団今日最後の配達は、うちの近所の団地だった。
    インターホンが無いので、呼び鈴を鳴らし
    「お届けものです」
    と声を出した。

    中から「はーい、お待ちください〜」と声がした。
    部屋から出てきたのは小柄な男。
    「ありがとうございます、暑い中ご苦労様です」
    綺麗なブロンドの髪の毛、くりくりの大きな瞳、華奢で細い腰、まるで女のようだった。

    ただの配達員である自分に対して、なんて無邪気に笑うんだろう。そう思った。
    「ここにサインいいですか?」
    「はーい、ところでお兄さんかっこいいね、いくつなの?」
    「…………あの」
    「あぁごめんね、僕みたいなおじさんにそんなこと聞かれたら嫌だよね?」

    (おじさん……?)
    聞き間違いかと思い、聞き直してみる。
    「20っすけど、逆にいくつなんすか?」
    「20か、わっかいね〜!僕、31なんだ〜よく童顔とか言われるんだけど、どうどう??」
    その数字は、彼の一人称からは想像出来ないものだった。
    (うそだろ……?全然見えねぇ……)
    「正直、見えないっすね。なんつーか、可愛いというか」
    「え?」
    「??」
    俺の顔を見てその人は何故か笑った。
    「……ふふっ、君面白いね、初対面の人にそんなストレートに言ったら、口説かれてるのかな?って勘違いしちゃうよ……?」
    「自分だってさっき言ってましたよ。俺の事かっこいいって」
    「もう!今のはドキッとするところでしょ!」
    「よくわかんねーっす」
    「あははは!やっぱり君面白い!ねぇお名前も聞いていい??」

    (さすがに名前までは……)
    そう考えていると、すかさずあっちが口を開いた。
    「じゃあ今度またあったら教えて、約束」
    そういって部屋の中に消えていった。

    (不思議な人だな……)

    赤の他人に個人情報を聞かれたのに、不思議と嫌ではなかった。不思議なことがいっぱい起こるな、と思いながら、蘭丸は団地を後にした。


    ---

    今日は天気が悪い。平日の午後2時。配達に出る前から、空にはどんよりと雲が漂っていた。
    (雨が降る前に終わらせるか)

    今日最後の荷物、というより、最後にした荷物。この住所の荷物が目に入った途端、何故か胸の高鳴りが止まらなかった。

    「○○団地」

    あの人の部屋ではない。それでも、もしかしたら会えるかもしれないという淡い期待を抱いているんだと思う、たぶん。

    なんで期待してるのか、自分でもよく分からなかったが、また会って話してみたいというほんの少しだけの興味からだった。

    呼び鈴を押して呼びかける。
    「お届けものです」
    中からは中年のおじさんが出てきた。
    無言でサインをし、そのまま荷物を受け取って中に戻っていってしまった。その間僅か10秒。
    (こんなもんだよな、普通は)
    あの人が特殊だったんだ。今のやり取りが、改めてそう思わせてくれた。
    同じ住所とはいえ、都合よく目当ての人に会えるはずもなく、建物の階段を下っていく。

    会えないと分かっていても、あの人の部屋の付近を眺めてしまう。眺めるだけで、会いたい人が出てくるのなら、俺はきっと魔法使いになれるだろう。
    (……雨、降ってきたな)
    1階まで降りてくると、タイミング良く雨が降ってきた。急いで車にに戻ろうと覚悟を決めたその時だった。

    ふと、敷地内の公園に目をやった。するとそこには、見覚えのある人影があった。

    (あの人だ)

    瞬時に脳がそう認識した。
    見覚えがある、はずなのに、前に会った時とは全く別の雰囲気を纏っていた。とても自分に笑顔を向けてくれた人とは思えない。雨が降っているせいなのか、多幸感ではなく、悲壮感に満ち溢れているように見えた。

    その人は、雨でずぶ濡れになりながら、公園の真ん中に、ただ呆然と立ち尽くしていた。
    「あの…っ!」
    後ろから声をかけると、その人は振り返った。
    「…あ、こんにちは」
    振り返ったその人の顔は、前と同じ笑顔だった。しかし、一瞬の闇に満ちた表情を俺は見逃さなかった。
    「こんな雨の中、お仕事なんて大変だね」
    「風邪引きますよ、早く中に入って、」
    「…戻りたくないんだ、長袖着てるし大丈夫だよ」
    「そんな、子供みたいなこと言ってないで、早くこっち来てください」
    そういって、その人の手を掴んだ時、一瞬だけ袖から肌が見えた。


    (…………痣…?)

    自分の目を疑った。
    掴んだ袖を、思い切ってまくると、そこには無数の痣があった。
    その人はすぐに俺の手を振り払った。そして小さく震えていた。雨でよく分からなかったが、おそらく泣いていた。
    「……ごめんね、変なもの見せちゃって、気分悪くさせて…………ごめんなさい、」
    癖になっているかのように、何度も何度も俺に謝ってきた。




    この人を守りたい。
    本能的にそう思った。

    「蘭丸です」
    「……は?」
    「俺の名前、黒崎蘭丸です」

    状況が飲み込めていなかったその人だったが、あの日の約束を思い出して、少し呆れた顔をした後で柔らかい笑顔を見せてくれた。
    「…………蘭丸くんって言うんだ、やっぱり君かっこいい」
    「あなたは?」
    「………………寿、嶺二」
    「嶺二さん、俺に全部話してくれませんか」



    「僕、結婚してるんだ」
    嶺二さんは俺に少しだけならと言って、自分の話をしてくれた。結婚してること、相手は男であること、普段は別居してるが、たまにこの団地の家に来ること、そして、

    その人から暴力を受けていること。

    話をしている間も、嶺二さんはずっと笑っていた。その笑顔が、俺の心をより一層醜い感情で支配した。

    どうしても理解ができなかった、
    どうしてこんな優しい人に、そんなことが出来るのか、
    俺ならそんなことは絶対にしないのに。
    「なんでそんな酷いこと……」
    「僕が悪いんだ、僕があの人の言うこと聞かないから、」
    「そんな事ない。そう思わされてるだけです。今すぐ逃げてください。嶺二さんのことを大事にしてくれない人のところにいる必要なんか無いです。」
    「ありがとう、そう言ってくれて、蘭丸くんは優しいね」
    濁したような返答をされて、少し口調が強くなる。
    「早く離れるべきだ!このままだとあんた……」
    「じゃあ蘭丸くんが助けてくれるの?」
    嶺二さんの顔が豹変した。雨と同じ、冷たい表情だった。なにもかもを諦めた絶望の表情。
    「君みたいな子供になにが出来るの?」

    非常にもその問いかけに答えることは出来なかった。

    少し間が空いたあと、嶺二さんが口をまた開いた。
    「ごめんね、蘭丸くんを責めるつもりはないんだ。これは僕の問題で、君には関係ないことだから」
    「……」
    関係ない、それはそうなんだろうが、なにか、引っかかった。
    「…蘭丸くんには、もっとちゃんとした人生を歩んで欲しいよ」

    その一言で、一気に感情が抑えきれなくなった。
    「ちゃんとしたってなんなんですか!?そんなの、あんたが決めることじゃない!俺の人生は俺が決めます!」
    嶺二さんは目を丸くして俺の方を見た。
    「…っ…」
    少し怯えてるように見えた。それなのに、構わず気持ちをぶつけてしまった。

    「…すいませんでした…」

    気がついたらその場から全速力で逃げ出していた。自分のいたたまれなさと、無力さに無性に腹が立った。
    (かっこ悪い……)

    嶺二さんが言った通り、俺はこうして感情的にしか動くことができない、

    まだまだ子供だ

    ---

    (蘭丸くん怒ってるよな…………)
    嶺二は無機質な部屋の中で1人、天井を見つめながら、先週の事を思い出していた。

    あれ以来一回も会っていない。
    そもそも定期的に会う約束した訳ではないし、特にネットで買い物もしてないから宅配の用事もない。
    だけど、会えない期間が長くなると、どこか……不安だ。

    「ちゃんと謝りたいな……」

    ピンポーン
    呟いた声をかき消すように、古びた呼び鈴のベルが鳴った
    「はーい」

    聞こえはしない返事を呟いて玄関に向かう。覗き穴には思いがけない人物が写っており、心拍数が一気に上昇した。

    ガチャ
    「……蘭丸くん?」
    「…うす。すみません、ダメだとわかってたんですが、来てしまいました。なんか、来る理由があれば良かったんですけど、思いつかなくて。これは職権乱用に該当するので、出来れば黙っておいて貰えると」

    …第一声がそれ…?
    久しぶりに会うからなのか、それすらも可愛く思えてしまった。
    「…どうしても、この前のこと謝りたくて、俺、嶺二さんのことなにも知らないで、勝手な事ばっか言ってすみませんでした。」

    早まる鼓動を抑える。冷静を保つのに必死だった。ふと気を緩めれば、そのまま抱きついてしまいそうだったから。

    そして、蘭丸は話を続けた。

    「俺に出来ること考えたんすけど……やっぱ荷物運ぶことしかないかなって思ってて」
    「…………はい?」
    大真面目な顔をして答える蘭丸に、嶺二は目を丸くした。
    「俺なりに考えたんすけど、嶺二さんが嫌がることはしたくなくて。ただ、なんつーか、その一瞬でもいいんで、俺と話して少しでも嶺二さんの気が紛れてくれたらなって思ったんです。」

    「だから、またここに来てもいいですか?」

    一気に体温が上昇していくのがわかる、
    すごく可愛いと思った、一生懸命に僕のことを考えてくれたことが伝わった。返したくないって思った。その瞬間、何もかもが溢れてしまった。

    「……すき」
    「え?」
    「……こっち来て?」
    「嶺二さん…?」

    もっと僕を愛して欲しい。
    そんな欲求が止まらなかった。

    事後

    「嶺二さんって、勝手ですよね」
    「ん?なんのこと??」
    「あんな突き放すような言い方して、今日はこれですか?」
    「ふふっごめんね、僕悪い大人だからさ」
    「そんな悪い大人に遊ばれてる俺も俺か…あんたの言う通りもっと真っ当な道に進もうかな」
    「えー!裏切りだ〜! 」
    帰る支度をする蘭丸を、嶺二はポカポカ叩いた。
    「蘭丸くんは大学卒業した後のこととか考えてるの??」
    「んー、なりたい職業なら見つけたっす」
    「え、!なになに!知りたい!」
    「あんたには教えない」
    「えーー!!ケチ!教えてよ〜」
    ブーーーブーーー

    たわいも無い会話の中
    突然の着信

    ディスプレイにはあの人の文字
    一瞬で現実に引き戻される

    血の気が全て引いた

    まずい

    このままバレたら
    殺される
    (電話には1回で出ろ)
    そう言われている

    でも今は、出れない、大好きな人にまた心配されてしまうから

    「じゃ、また」
    「うん、じゃあね」

    平静を装うのは得意なんだ

    「嶺二さん、また会いに来ていいですか?」

    「うん、待ってる」







    その後
    嶺二さんはこの団地から姿を消した
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