「薬草園を作りたい?」
カカシは火影室の真ん中に立ったサクラを見て、耳に入って来た言葉をそのまま声に出して聞き返した。ちょうどその場に居て書棚の整理をしていたシカマルとナルトが手を止める。
サクラはカカシの反応を見て、彼女の師匠のように強気に笑った。
「そう! 里も落ち着いて来たし、前からやりたいと思ってたの」
木ノ葉隠れの里は野山に囲まれており、植生は豊かだった。その為薬草といえば自生している物を採取してくれば大抵事足りていた。薬草園もあるにはあるが、規模が小さく少し大きな民家の庭程度のものだった。
「砂隠れに行った時に見せてもらって、いいな〜って思ってて。温室作れば珍しい薬草も育てられるし、そしたら新しい薬も作れるかも知れないし」
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