新刊あとがき名だたる作家がしたまふあとがきなるものを我もしてみんとてするなり。
「いずれ黒歴史になるから」と田舎のばっちゃに言われ、いつでも消せるポイピクに載せます。
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『雪辱の喧嘩師』
⭐︎バトル描写は難しい
家にある漫画全部読み直しましたが、未だに理解できておりません。ROM専時代に「この格闘技漫画の作者、運動神経悪そう」とか思ってすみませんでした。
関係ないよ作者の運動神経は。三入も格闘技経験長いし武道で全国行ったこともありますがここまで描けないとは思いませんでした。あと動きに合わせてなびく(であろう)布が超ムズい。今まで棒立ち姿しか描いてなかったことを思い知らされました。
⭐︎タイトルについて
悩みに悩んで(そうだ、劇場版みたいにしよう)とおこがましくも思い立ちましたがダメでした。センスのない人間がやるとめちゃくちゃです。あれは言語センスのある人間が練りに練って生み出される芸術です。修行を積んでまた挑戦したいです。
⭐︎松田について
好みで言えば、もっと松田をボロボロにしたかったんですけど、やっぱり松田は最強で無敵な男なので...。ドーピングした相手と殴り合うなんて、現実では自殺行為ですがそれくらいしないと松田が追い詰められそうになくて...。
「俺は負けてない」と作中松田は2度言いますが、これは強がりでもあり本心でもあってほしい。喧嘩や試合なら決着がついていない。でも犯罪者と警官としてなら、逃してしまった自分の負け。そう捉えています。
松田は喧嘩好きではあっても、戦闘狂ではない。高木を身代わりにしてまで逃亡犯を追いかけたのは、警察の面子を守るため。動画サイトやニュースで「警察が何人も殴り倒された」と世間に触れ回っているので、大勢で武装して制圧しましたでは体裁が悪い。この事件の結末は「警察が逃亡犯を素手で何なく捕らえた」。そうあるべきだと松田は考えました。
描ききれませんでしたが、逃亡犯はドローンを上空で待機させており、それを生配信しているという設定でした。警察が大勢で制圧したり発砲したりすれば、その時点で逃亡犯の勝ちだったわけです。
「受けた屈辱はその土俵でしか雪げない」
は私の人生訓です。このシーンで松田に壁を殴って砕かせて「怒り」の演出をしようかと考えたのですが、警察官という立場上、器物損壊はできません。三入の今までの推しはアウトローが多くて息をするように暴力にはしっていたのですが、松田の場合は「一応警察官だしな...」と踏みとどまります。
⭐︎萩原について
松田含む警察官に危害を加えた逃亡犯に当然怒っています。
視線を感じる→携帯のインカメで逃亡犯の位置を確認→屋上で対面した彼ですが、松田が来る気がして待ってました。少し待って来なければ犯人を制圧するつもりでした。同じビルに他の機動隊員も待機させてました。萩原は格闘家でも武士でもないので、制圧する際は警棒でも拳銃でも何でも使います。その辺のゴミ箱とか投げたりします。
松田の動きを把握していたわけではないのですが「こういう時、あいつはどこからともなくあらわれるよな」と考えていました。萩原にとっても松田は無敵のヒーローです。
松田はドーピングの中に痛覚が麻痺する成分があったら厄介だと降谷に探りを入れていましたが、萩原が犯人の足を踏んで「痛い」と言わせたことで答えを得ました。連携プレイ。
萩原vs犯人になっていたらどうなっていたか。実力では現役機動隊員萩原の方が上でも、「松田が苦戦した相手」として敵が大きく見えていた可能性はあります。萩原は戦闘において、メンタルに左右されやすい傾向があると燃えます。私が。普通にやったら勝てる相手なのに先入観が邪魔をして負けてしまうとか、その逆もあったりとか。
逃亡犯が最後にプロのリングで戦った(屈辱を与えた)相手は、萩原に似ているという裏設定がありました。だから彼は、萩原を倒すことでトラウマを払拭しようとした...とか構想段階ではあったのですが、ネームって難しい!!
松田も動画見て「逃亡犯に勝った相手、ハギにちょっと似てるな」と思ってました。逃亡犯が萩原に異様に執着していることにも気づいていました。「こいつとやりたきゃ俺を殺してからにしろ」。お気に入りのセリフです。フリー素材なので是非使ってください。
⭐︎「惚れ直した」
ネーム段階では「ほんとバカだな」でした。千速さんが松田を語るときと同じ表現です。賞賛の言葉です。しかし、ペン入れして表情がはっきり分かるようになると何か違和感があって。萩は好意をストレートに伝えるタイプだと思い直したので上記のセリフになりました。
格闘技の試合でも勝者が恋人や家族をリングにあげて共に喜ぶ場面がたまにありますが、あんなイメージです。
表紙は選手入場!みたいな雰囲気を描きたかったのですが、違和感のない筋肉を描くのに10時間かかりました。後悔はしていない。
私は作業用BGMとして「日本語の歌詞がない」「その作品の雰囲気に合った」曲を流すのですが、今回はポケットモンスターRSE『戦闘!野生ポケモン』でした。松田の最後の攻撃は「インファイト」ですかね。
『松田教授の時限式犯罪4』
⭐︎御礼
ここまで読んでくださった方にはどんなに感謝してもしきれません。同人誌で続き物て。相当な勇気がないと買えませんよ。
1・2・3巻を読んでくださる方の存在が物語を完結させてくれました。本当にありがとうございました。ご期待に添えていれば良いのですが。
⭐︎1巻で言及されていた偽爆弾騒ぎ
尊敬する松田教授の父親を誤認逮捕した警察官を罠にかけたのはゼミ生5人でした。
しかし、罠にかけられた警察官は複数犯であることを黙っています。始末書も報告書も出していません。拡散された動画のコメントから、彼は歳の割に階級が低いことが示唆されています(1巻)。
それは彼が冤罪を作り出してしまったことへの罪滅ぼしでした。出世は拒む。自らに与えられる罰は甘んじて受ける。そういう覚悟で彼は十数年生きてきました。
...というところまで描ききれなかった己の技量が憎い。
描ききれなかった繋がりでもう一つ。降谷は決定的な証拠を掴んでいない。しかしゼミ生5人の犯行だと確信している。何故か?それは事件当日彼らが全員各自でケーキを買っていたから(作戦成功してめちゃくちゃ浮かれてた)。というネタがありました。どこに置けばいいか分からなかったのでカットしました。ゼミ生に愛されている松田教授です。
⭐︎犯人について
当初からモブは表情のないグレーバケツ塗りで一貫してきましたが、この犯人は原作のように黒塗りで描きました。
彼は萩原を愛するあまり、萩原の悪口を言った教官を殴り倒し「特別勤務」=クビになりました(今こういう隠語があるのか不明ですが、私の知人の時代はそう表現していたようです)。
そのことを萩原は気にしていて、彼から「会いたい」のメールが届いたときも自分が説得することを申し出ました。約束を守れば撃たれないだろうと踏んでいたのですが、松田が突然現れたのでああなってしまいました。ちょっと甘いところも萩原の魅力だと思っています。
松田は警察の不祥事を、降谷は松田ゼミの生徒たちの犯罪を掴んでいる。お互いの首根っこ掴み合っている状態です。
殴り合って和解したようですが。
あくまで今回の犯人はは「いくつかの」爆弾事件の首謀者ということなので、他の事件の犯人は今も街の中に潜んでいます。
作業用BGM『See You Again』ウィズ・カリファ
『WEBLOG2025 FUGA』
⭐︎タイトルについて
2023年はパルティータ(変奏曲)、2024年はスケルツォ(戯れの曲)と来て今年はフーガ(追走曲)と名づけました。
同じような曲調を各パートが追うように演奏する形式の「FUGA」が、同じようなネタを何度も擦るWEBLOGをよく表していると考えています。
反省文が得意な松田のネタなんてなんぼあってもいいですからね。隣合う2ページの両方に「キレ散らかす」という言葉があって、どんだけ好きなんだと思いました。
2024年3月。毎日更新から土日更新に切り替え画力が落ちるかと思いましたが、そんなことはありませんでした。むしろネタに向き合う時間が増えてクオリティは高くなったように思います。今まで24ページくらいしかなかったLOG本が46ページになりました。これからも皆さんに読んでいただけるように頑張ります。
最後になりますがあとがきも含め拙作を読んでいただき、ありがとうございます。
皆様からいただくお言葉、感想、お手紙、差し入れが私に描く気力を与えてくださっています。
来年の夏もイベントに出たいです。そのときもぜひよろしくお願いいたします。