祝福あるの日の夕暮れ時、朝日奈は花響学園でグランツとの合同練習を終え、一人あるところに向かっていた。
(まぁ、会えなかったらその時はその時だよね)
練習を終えた直後でもあり、いつになく気分は高揚していた。
すっかり行き慣れた場所でもあった。ここにくると何故か不思議とホッとする。
ふと甘い香りがし、一瞬強い風が吹き、髪をおさえた。
「朝日奈さん?」
名前を呼ばれた瞬間、とくんと胸が大きく跳ね上がった。
御門は少し驚き、同時に微笑を浮かべている。
「またお会いしましたね。今日も練習ですか?」
「はい」
「そうでしたか。相変わらず精が出てますね。私も丁度帰る途中でした。
まだ時間があるなら駅まで、少し話しませんか?」
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目黒川の桜並木通りを二人並んで歩いていた。
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