炎拳🪲VSリウ6課🪲 炎が渦巻いている。
呼吸が出来ないほどの煙が天井を舐め、火は瞬く間に延焼し、あちこちを焼いていた。
スプリンクラーの作動はない。故障したのか、ただ壊れたセンサーだけがチカチカと虚しく修理を求めるライトの点滅をくり返していた。
白い部屋は炎の朱色に染まり、置かれた家具を焼きながら中心にいる2人を閉じ込めている。
片や、使い込まれた燃料タンクを担ぎストライプスーツの制服、顔の火傷跡を隠すように特徴的な仮面を被る男。
片や、赤いリボンに木目の肩鎧、炎の刺繍の入ったベストに耐火制服を着たメガネの男。
双方、双子のように体格も顔も同じでありながら、その表情には大きな差があった。
血走った目、こめかみに憤怒の血管を浮かす仮面の男。呆れたような顔をしつつも好戦的な色を視線に浮かべる赤いリボンの男。
二人はまるで炎の所有権を主張するように、火のリングの中に相対していた。
張り詰めた空気は天井を舐めて換気される黒煙よりも熱され、ただ余人を入れんとして互いに闘気をぶつけ合う。
その様子を扉越し、凄まじい熱気に中に入ることすら出来ないままツヴァイ3課のグレゴールは呆然と口にくわえていたタバコの本数を1本から3本に増やした。
「大惨事?」
「実はそう」
「何が起きたんだまじで……」
世界線の交差点にある隙間、とでもいうべきか。
グレゴールの人格が集まるだけの謎空間で起きた大火事にツヴァイグレゴールは目を白黒とさせていた。
なんせタバコ休憩がてらにここによった矢先の出来事である。
何故か廊下にたむろしている人格達を不思議がりながら扉のドアノブを握ると馬鹿みたいに熱く、苦心しながら開ければこれである。
動揺もしよう、というものだ。
困惑したまま煙草をふかして立ち尽くすツヴァイグレゴールに、たむろしていた人格のうちの一人────副船長が気怠げにその背に声をかけた。
「神父のやつが今日来たろ?」
振り返るとよれた煙草を咥えた彼は、黒雲副組長のグレゴールと行儀悪く座ってポケットの中身を見せあっているようだった。
湿気た煙草の箱やおちょこ、禁煙用に持たされた飴、アイスクリームの割引券。試用の香水ミニ瓶。
ツヴァイグレゴールが振り向いたのをちらりと確認すると、副船長はアイスクリームの割引券のシワを伸ばしつつ肩を竦めた。
「それ絡みだよ」
「……、ああ、あの痩せた俺?」
ツヴァイグレゴールは新参の赤い瞳にやつれた印象を受ける新人格を思い返した。
物腰穏やかながらに、どこか卑屈な印象を抱かせる不穏さの滲んだ人格だった。
身なりだけで言えば貴族然とした神父服で、継承者ともタメを張れそうなのだが彼のような高慢さはなく、ツヴァイグレゴールはまた何だかおいたわしげな自分が来たな、と漠然と思ったのを覚えている。
人と争うように見えなかったが、過去の印象を探り、すぐに原因に思い当たった。
ラ・マンチャランドの神父グレゴールは血鬼である。
「それ絡みって……おい、まさか」
「その通りだ、アレが炎拳事務所の俺とばったり初遭遇しちゃったんだよ」
「ああ……」
「当然手が出るわけ、あいつがどんだけ血鬼の尻毛に火をつけたがってたか知ってるだろ。しかもよりにも寄って自分のツラぁしてるなんて耐えられねえってよ」
「凄い……想像がつくな……」
炎拳事務所の生存者。
ラ・マンチャランドに事務所のほとんどを飲み潰された男の憎悪を思い、ツヴァイグレゴールはうんざりと口元の煙草の束を外すと、ぶわ、と濃い煙を吐いた。
「で、それをリウの俺が止めたわけ。
それで更に炎拳の頭に血が登っちゃって。
血鬼の味方をするんだな?とか言い出して、そしたらもう売り言葉に買い言葉で神父そっちのけのヒートアップで」
革手袋の指先が無邪気に室内を指す。
「物理炎上。火傷回数威力99の大盤振る舞い」
「わあ……」
「廊下までは火がはみ出さねえから終わるまで俺たちは待ってることにしたってわけ」
ここが現実でないからか、火は部屋の外を舐めることはなかった。
透明な壁に阻まれているように、熱気と共に火が廊下にはみ出すことないのを見る限り、確かにコトが終るのを待った方がいいだろう。
これが外にも影響があれば迅速に対応する必要があっただろうが、生憎とこの世界でも、彼らが呼び出される場でも、死は酷くこちらを嫌って遠くに居座っている。
それによく見れば彼らはきちんとどこから持ってきたのか、消火器を壁際、すぐ手に取れる位置に用意していた。
とりあえずアフターケアを心配する必要はないか、とツヴァイグレゴールはひとつ安心を抱く。
「で、その肝心の神父は?」
「あそこ」
再び革手袋が室内を指差したので、思わずツヴァイグレゴールは勢いよく振り向いて眩しい室内へと目を向けた。
確かに────炎の踊る部屋の一角に、それっぽい影がある。煙と火の粉で確認しづらいが、彼の握るメイススタッフが微かに覗いていた。
「死ぬんじゃないか?」
思わず三度見したツヴァイグレゴールに、副船長は鼻で笑う。
「いや、ギリ何とかなってるだろ。リウの俺が上手いこと火が回らないようにしてるみたいだぜ」
「器用な火加減だな……バーベキューは炭にする癖に……」
「それはりょミパの俺以外大体そうだろ」
残念ながら厨房適正が高いのはその人格だけであり、イサンよりはマシ、程度の料理の腕しか全員ない。閑話休題。
ぐでん、とそれまで黙っていた副組長が立ち上がると、開けっ放しの扉の中を覗きこむ。
酒で赤くなった顔がより、火に照らされて赤く染まった。
「いや〜いい酒のアテだ、どっちも拳ってのはつまんないけど……。どっちが勝つと思う?」
「ああ?賭け事してんのかお前、この状況下で」
「中々ないぜ、リウのやつがあそこまでやってんのはさ。なんだかんだぁアイツっていい子ちゃんだから」
「止めなよ、まずさあ」
「無理だよ、あっちーもん。下手に巻き込まれて火傷したかねえっての。なあ?」
同意を求められた副船長も、小さく頷いた。
それこそ、彼らはイイ子ちゃんではない。性格的にも、社会身分的にも。
「火力だと炎拳のが圧倒だし俺は炎拳が勝つと思うんだよな。あんさんはなに賭ける?今トトカルチョしてんだけど二人だけだと盛り上がらなくてさ」
「いや~こうなる前になんとかしてくれよ」
「他人の喧嘩は面白いもんだろ」
苦い顔をするツヴァイグレゴールに対して、二人の副とつく反社人格は悪い顔をして歯を見せて笑った。
「で、ツヴァイの俺はどうよ?どっちが勝つと思う?」
どちらにせよ、今ツヴァイグレゴールができることはない。
これだけの火の手が上がってしまえば、炎の専門家に事の成り行きを委ねるしかできなかった。半端に水を差すタイミングを間違えれば、それこそ彼らの言うように大やけどを負うことととなるだろう。
ため息をついて、煙草を咥え直してツヴァイグレゴールは2人の問いかけに端的にかえした。
「そんなのリウの俺に決まってんだろ」
「賭けが成立したな」
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どれだけ耐火スーツを着ていても、熱気は容赦なく体を蝕んだ。
呼吸をするたびに肺が焼ける。部屋の温度はまともに人が活動する温度を越えつつあった。
額から無数の汗が落ちては蒸発していく。握る義手ばかりが過熱状態でもまともに動いていた。
相対する男───リウ協会のグレゴールの表情は涼し気だ。額にこそ同じように汗を浮かべているが、部屋のあちこちで上がる火の手に動揺する様子もなく、落ち着いた様子で煙草をふかしていた。
腐っても12協会のフィクサーの端くれ、P社の木っ端事務所とは違い装備も十分にいいものを使わせてもらっているのだろう。
焦げ始めたスーツの端を思いながら、炎拳事務所のグレゴールは忌々しく呟いた。
「ちょこまかと……」
「勘弁しろよ、まともに打ち合う火力じゃないんでね」
共に炎をまとった拳を使う者同士、測れる実力というものがある。
リウゴールは炎拳の拳はあまり長く受け止めることは出来ない、と判断していた。
リウ協会の面々はそれぞれ、リウ制式の発火装置の内蔵された炎を纏う武器を使う。
グレゴールの義手と手甲がそうである。
こういった機関を内蔵する武器は体術や剣術の邪魔にならないよう、軽量化のために長く燃える小型の燃料を使う。
そのためにリウの火は一つ一つは火種のように小さい。言い方をもっと露骨にすれば瞬間火力がない。
それらを補うための集団戦でもあるのだが────残念ながらリウグレゴールは今、一人だった。
対して炎拳は重量と引き換えに一対の燃料タンクと、火炎放射器を内蔵した義手を背負っている。タンクの中身は悪名高い12区産液体燃料であり、それを噴射して火炎放射を放ったり、義手に猛火を纏わせてひたすらに瞬間火力を求めたバトルスタイルだ。
単純な一撃一撃が重く、耐火に優れたリウ制服といえど、血鬼すら黒焦げにする拳などまともに受けていられない。
ましてやリウグレゴールと比べ、炎拳はタンクを背負う都合上ガタイがよく腕力がある。このグレゴールは恐らく、チンピラに絡まれてもずんぐりむっくりとかいう評価は受けないだろう。
炎拳はリウグレゴールにまともに一撃が入らないことに苛立っているようだが、リウグレゴールからすれば1発でもまともなのが入れば後がなかった。
後ろに静かに立って構えたまま動かない神父を気にしつつ、リウグレゴールは少しだけ皮肉げに笑った。
「こんだけ暴れたんだからいい加減落ち着けよ。もうよくないか?」
「うるせえな……。ラ・マンチャランドの血鬼を前に、何を我慢しろって言うんだ?」
「お前の世界のラ・マンチャランドじゃないだろ」
「だが、ラ・マンチャランドの血鬼だ」
かち、と握りこぶしを握れば炎拳の重たい義手から火の手があがり、赤く染まった。
それに合わせてリウグレゴールも拳を握った。手甲に火がまとわりつき、部屋は一層明るくなった。
「汚らしい虫けらが、俺の可能性にあるってだけで忌まわしい……!」
吐き捨てる炎拳の目は正気ではない。
その言い分はリウグレゴールにも───おそらく、神父にも理解はできた。
彼の大事な仲間はラ・マンチャランドで全滅した。血鬼という種族が憎いのではない。悪感情あれど、神父がただの外殻に住まう血鬼であればここまで彼は憤らなかっただろう。
神父のグレゴールがラ・マンチャランドに属する血鬼だから彼はここまで激怒している。
それが別の世界線だったとしても、あの遊園地のパレードのメロディーが同じである以上───到底許容できるものではなかった。燃やさなくては、という使命感と復讐心は燃料を注がれた火のように燃え上がる。
がん、と強く床を蹴る音がする。
「邪魔するな!」
前傾姿勢、重みを活かして前に飛び出すような飛び込みに、リウグレゴールの反応が一瞬遅れる。
咄嗟、右側。彼の武器が右こぶしであることを知っていたからこそとれる防御態勢。
鋭い息を吐く音とともに振り抜かれた過熱した拳が、防御しようと組まれた腕十字を大きく崩す。
打ち込まれる拳は義手を構えてもなお熱く、内部機構に損傷が出るほど激しい音を立ててガードを吹き飛ばした。
「ウォアアアアアアア」
迫真の絶叫と共に、炎拳の右腕が大きく後ろに引かれる。
ブースターのように拳から炎が舞い上がり、腕の防御が崩れてがら空きになった胴体に向けて、腹に穴が開けんばかりに重たい拳が貫いた。
「かっ……」
ばき、と嫌な音が頭の中に響くのを感じる。
確かな感触に炎拳の目に勝利への確信が映った。宙に足が浮き上がり、リウグレゴールの表情が強張った
血が口から吐き出されたが、あまりの熱気にすぐさま乾き、粉っぽい跡だけが口元にかさついて残る。
その様子にわずかに神父が動揺するのを見て、拳を振り抜いたまま炎拳は強く再び踏み込み、倒れ込むリウグレゴールを無視してそちらへととびかかろうとした。
「な───」
が、右腕。吹き飛ばされずに、倒れもせず己の義手を強く掴む木目のような模様が目立つリウ制式義手の力強さに、炎拳の足取りは止まった。
「っぐ、はは、よそ見、してるなよ……!」
「何!?」
仕留めきれなかった。
その事を理解するよりも早く腕が引かれる。自重ではこちらの方が上だと足に力を籠め、姿勢が崩れることはなかったが、すぐ目の前に激しい光が飛ぶ。
網膜を焼くような強い火花は、防毒マスクと眼鏡の二重防壁を貫通し炎拳の視界を奪った。脳髄まで貫通するような強い光を見た痛みに、反射的に瞼が降りる。
「火はどうやって扱うかで────」
指先からはじき出した火花に僅かな硬直時間が出来たのを見て、リウグレゴールは熱気のこもった息を吐いて笑った。
指先を握り込み、拳をつくる。体を小さくたたみ、床にしゃがむような姿勢。両足をばねに、飛び上がるように。狙うは丸いガスマスクの縁が覆い切らぬ下顎。
「結果が変わるのさ!」
「があっ、……!!」
顎先から脳を揺らす衝撃に、一瞬で炎拳の意識が混濁する。
先ほどよりも大きな隙。殴打による混乱を見逃さず、リウグレゴールは勢いそのままに炎拳に抱き着くと、その骨ばった体の関節を固めるように押し倒した。
過熱したタンクに背を押し付けられ、炎拳の口からわずかに悲鳴が上がるがそれを気にしている余裕はない。獣のように四肢を振り乱して暴れようとするさまに、リウグレゴールは腹に乗っかったまま腕を抑えて耐え忍ばなくてはいけなかった。
眼鏡越し、視線が扉に向かう。
「すまん!頼めるか?」
「はいよ」
声を張り上げた瞬間、飛び込んでくる影が一つ。
消火器を持った、青のコートに黄色いラインの印象的な、サングラスをかけた同じ顔をした男は、容赦なく消火器の中身をぶちまけ、その重たい容器の底を炎拳の頭に振り下ろした。
ガスマスク越しとはいえ、凄まじい音が鳴り響き、潰れた蛙のような声が落ちる。
立て続けに脳を揺さぶられた炎拳は流石に耐えられなかったのか、暴れていた四肢から力を抜いてぐったりと床に倒れ伏した。
「……死んだのか?」
「気絶しただけだよ」
ぜえ、と傷むわき腹をようやく抑え、リウグレゴールは恐る恐る倒れ伏した炎拳を見た。
ツヴァイグレゴールはそれに対し、簡易に脈を図って息をしていることを確認すると、未だに火の残る室内へと消火剤をぶちまけていく。
不思議なことで、火が消えてしまえば焼けた家具はそのままに温度は異常なほどあっさりと適温へと下がっていった。
先ほどまで大量に汗をかいていたせいか、リウグレゴールにとっては些か寒すぎるほどだ。
彼が腹と腕をさすっていると、様子を見ていた反社組が中を覗きに開けっ放しの扉から顔をのぞかせた。
「6課がよく勝ったな。そいつ俺らの中でも結構ヤる方だろ」
「へっ、こちとら手合わせで火傷も打撲も慣れてんだよ。引けをとるわけないだろ」
「惜しい〜、俺負ける方に賭けてたのなあ」
「おい!」
半分ほどは強がりも含まれていたが、二人の称賛をまんざらでもなく受け止めてリウグレゴールはよろよろと立ち上がった。
実際危ないところだったのは違いない。炎拳の踏み込みがもう少し深ければ───あるいは、彼が血鬼ではなく対人戦闘に特化していればまた話は変わっただろう。
打撃に対してはリウ協会の手合わせで受け方を学んでいる。それだけがおそらく炎拳とリウグレゴールの戦闘の勝敗を分けたのだ。
次に殴り合う時はもう油断してもらえないな、とため息をつきながら背を丸めて歩こうとすると、後ろから声がかかった。
「なあ……」
「お、神父」
振り向くと、神父は申し訳なさそうにスタッフを片手に立ち尽くしている。
出来る限り声を和らげれば、彼は迷子の子供のような、なんとも形容しがたい申し訳なさを浮かべてリウグレゴールを見返した。
赤い瞳は彼の口元の血を見て、すぐに怯えるように視線を剥がして足元の黒いすすを見る。
「そっちは大丈夫だったか?」
「火の勢いは強かったが、まあ……なんとか。ええと……死ぬような怪我は無いか?」
一瞬の躊躇い。
「その、……そっちの俺も」
「大丈夫大丈夫、ほら、俺たちって大体生き汚いだろ」
「……そうだな」
自責を抱いているらしい彼にあえて明るく言い返せば、少しだけ整った髭の顎をひいた。
ぐ、と神父の手に力を籠ったのを見なかったことにしつつ、リウグレゴールは痛みに耐えかねて脂汗を流しつつ、廊下へと向かう。
「とりあえずちょっと頭冷やさせるのもかねて……管理人の旦那に時計回してもらいに行くわ……。後片付けよろしく」
「あ、こいつ!」
「エ、ちょっと待って。じゃあ俺達も~……」
「はーい、逃げるなよ。楽しんだ分ボランティアしてけ〜?」
リウグレゴールが外に出ていったのを見計らい、あとに続こうとした反社組の行く手を阻むように出入口を塞ぐ。
にこやかにツヴァイヘンダーを取り出し、封鎖の姿勢をとる彼に対して露骨に副船長は舌打ちを零す。
「うーわ、最悪」
「あちゃ〜……掃除なんて何年ぶりかな……」
「あ、あの、良ければ俺だけでも……」
「いやいや、そこの反社組もはやし立ててたろ。賭けも俺の勝ちだし言うこと聞けよ」
もしかしたら全員がいなくなってしまえばまた元通りかもしれないが、それはそれ。これはこれ。
他人の喧嘩を酒と賭けのあてにした代償は大きい。
ぐちぐちと文句を言う彼らに対して、イイ子ちゃんのツヴァイグレゴールは呆れたように笑うともう一度ツヴァイヘンダーの刃を地面に突き立てて掃除を促した。
「つーかよく分かったな、あいつが勝つって」
「そらそうだろ」
副船長の問いに、ツヴァイグレゴールは悪戯っぽく片目をつぶる。
12協会では有名な話だ。
「リウ協会は負ける戦争はしないんだよ」
遠くで、リウグレゴールはピースサインを掲げていた。