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    がごめ

    @stsgagome_sky

    左右ぐちゃぐちゃにしてしまいたい

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    がごめ

    ☆quiet follow

    C.FIRSTの怪文書。
    若干の暴力(ビンタや喧嘩)が含まれます。
    登場人物全員狂ってます。鋭心と百々人がギスギスしてます。

    フリー●ーメン百々人が全く気付かないうちに秀と対立する 茹だるような暑さに蒸し焼きにされながら辿り着いた315プロダクションの事務所。既に百々人は着ており、ソファでのんびりと本を読んでいた。
    「おはようございます、百々人先輩。何読んでるんですか?」
    「アマミネくんおはよぉ。理科っていうか、家庭科?かな」
     表紙には、『硬水と軟水 出汁文化と地域特性について』と小難しいことが書いてある。そして、顔を近づけるとほんのりめんつゆの香りがした。あまり料理する人ではなかったと思うが、最近自炊してるのだろうか。
     珍しいですね、と話を振ると、案外楽しいものだよ、と当たり障りない返事しか戻ってこなかった。

     ああ、今日も百々人先輩からめんつゆの香りがする。

     暑さ寒さも彼岸まで。街は長袖へと移り変わった。だというのに、目の前の男は素麺を美味しそうに啜っている。時期が遅い。
    「アマミネくんも少し持って帰ったら?それとも、今から茹でたら君も食べる?」
     おみやコーナーに置かれた大量の素麺。どうやら、お中元で頂いたものを「日持ちするから」と分配し忘れていたようだ。素麺ならば給湯室でも茹でられるから、百々人がプロデューサーのために調理していたようだ。
     じいちゃんたちも食べるだろうし、と手に取って違和感を覚える。お中元の整理をしていたが素麺は一件しか頂いていない、それも7月に皆で素麺パーティーをして使い切った。まあ、残暑見舞いって名目でお中元が遅い地域もあるし、お盆休みで事務所も休業していた週もあった。
     有難く頂いておくが、この奇妙な感覚、一体どこから感じているのだろうか。

     お盆明けくらいから仕事で見ていたクリスマス景色。ハロウィンが終わった街も、遂にクリスマスに染まりつつある。アイドルというのは季節を先取りしている都合、早い人だと半年以上前からクリスマスのお仕事が入るらしい。
     しかし目の前にあるのは、既に季節遅れの素麺。美しく盛り付けられていて、豚バラ肉と葱の温かいつゆ。そしてここは鋭心の自宅。
    「どうした秀、俺の素麺が食えないというのか?」
    「は…早く食べないと、冷めちゃうよ」
     目の前には鋭心と百々人が座っている。しかし素麺は一人前しかない。
    「あー……。さっきレッスン終わりに、百々人先輩とうどん食べてから来たんで……」
     秀の言葉に、百々人がサッと蒼ざめる。立ち上がった鋭心が百々人の胸ぐらをつかみ、躊躇なく頬にビンタした。
    「百々人、何故教義に背く」
    「マユミくんはおかしい……!人は素麺だけでは生きていけない。うどんや、蕎麦、ほうとうと手を取り合う道だってあるはずだ!」
    「間違っているのはお前だ。他の麺類は我々素麺のシェアを奪う敵、すべて排除しなければならない」
     秀は出された食事を美味しそうに啜りながら、確信した。このふたりは秘密結社フリーソーメンのメンバーであり、教義を巡って対立しているのだと。少し甘めのつゆと、たっぷりの豚バラ肉は寒い季節にもぴったりだ。葱もシャキシャキと存在感をアピールしてくる。
    「ご馳走さまでした、鋭心先輩。俺、急用ができたんで帰ります」
     取っ組み合いの喧嘩を始めたふたりを置いて、シンクに食器を下げた秀は自宅へと急いだ。

     それから1ヶ月。クリスマス商戦はチキンとサーモンではなく、素麺と蕎麦、うどんの三つ巴へと発展していた。
    「GO OSOBA党のみんな!どうか、痩せた大地でも育つお蕎麦のことを忘れないで。お蕎麦がなかったら、俺たちの中には出逢えなかった人々だっているはず。お蕎麦は田舎の食べ物じゃない、誰が食べたって自由なんだ!」
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    yuki_no_torauma

    DONEバンモモWebオンリー「百の恋と万の愛情を2」で企画されたウェディングプチアンソロジーへの寄稿作品です。

    万理さんと付き合ってる百ちゃんが、万理さんからどれだけ愛されて必要とされているのかを万理さんに理解せられるお話。

    年齢制限の問題で、肝心の理解せ部分の描写はぬるめです。

    お題はプロポーズを使用しています
    わからないなら教えてあげる 今日は仕事終わりに恋人であるバンさんの家に来ていて、バンさん特製の手料理を食べてお風呂に入って……そのあと程よくお酒を飲みながら、二人で映画を観ようということになった。
    「僕は欲張りだから、キミの全てが欲しくなってしまったんだ。お願い、僕と結婚してくれないか──」
     映画を観るために部屋の明かりを極限まで絞って暗くしたワンルーム。
     爛々と照らされたテレビの中では、『結婚適応期にいる不器用な男女が運命的な出会いを経てからお付き合いし、時にはすれ違いながら、最後は結婚というゴールで結ばれる』という恋愛物にしてはありきたりなお話だけど、主人公たちの心情描写がリアルで、結ばれるまでの道のりが感動的なため、万人の心を掴み去年大ヒットした恋愛映画が映し出されていた。
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    eikokurobin

    DONE轟爆/雄英2年生
    無自覚でいさせて 朝、ハイツアライアンスのリビングに降りていくと半袖の者がチラホラ目に入った。すぐに6月に入り衣替えが許可されたのだと気が付き、ならば自分も半袖にすれば良かったとチラリと思うが、今から着替えに戻るのも面倒くさいし何よりなるべく早く学校に行きたい。今日のところは自前の個性で蒸し暑さを凌ぐとして足を急がせ、教室に入り目当てを探すと、

    いた。色彩の淡いのがひとり、椅子に座り耳にワイヤレスイヤホンを入れて何かを聴いている。それは、いつも誰より早く登校する、俺の爆豪。

    耳を封じたからといって他人の気配を気にしない男ではないが、そっと足音を忍ばせて近づきわざと耳元でおはようと囁くと、早速距離が近ぇと睨まれる。誰もまだきていない教室に2人きり、しかも恋人の関係でそんなことをいうなんて酷くねェか?と、ちっとも酷いだなんて思っていない口で言いながら唇に唇を寄せると、キスの代わりに鼻の頭を齧られそうになる。おはようのキスひとつ素直にさせてくれないなんて、本当に懐かない猫のような恋人だが、そこがまた可愛いと思ってしまう辺り、自分も中々に重症だと思う。まもなくほかの奴らも登校してくるだろう、それまでのほんの数分だけでも爆豪を眺めていたくて、ひとつ前の席を拝借して向かい合わせに座った所で、
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