『コンビニのラキオ』++++++ たけのこさん
『コンビニのラキオ』
今日も疲れたなー。課長のやつ、また部下に仕事押し付けやがって。あーあ、後処理大変だったなあ。
こんなに頑張ったんだし、今日くらい贅沢してもいいよね?
残業終わりの足で近くのコンビニ「ユリコーマート」に入る。
「らっしゃっせー
って言わないといけない日本の接客業は形骸化しているこんな掛け声何の意味もないだろ凡愚の形式に拘る体制はうんたらかんたら
「ちょっと君!何回言ったら分かるんだい?ウチのバイトは羽外せって!ほら概念伝達装置も取って!」
なんだ…?あのレジ店員?
++++++ ゆうりさん
仕事のしすぎでとうとう幻覚かそこらの症状が出始めた?それともただただ頭がアレな人? 疲れた頭では当然知恵も何も回るわけがなく、見なかったフリをして商品棚へと足を運ぶ。 今日は疲れたことだし温めるだけの弁当でいいか。 適当に手に取った弁当を持ってレジへと向かう。 「君・・・」「あ、会計オネシャス」 「今から夕飯?そんな栄養素のえの字もないような、ただただ彩だけを重視したそんなものを食べる気?呆れた、こんな夜にコンビニに来る時点で馬鹿な奴だと思ったけど食生活すらまともにできないとはむしろ滑稽だね!」 「・・・・・・」
隣の先輩らしき人に視線で助けを求めてみようと、饒舌な人にばれないよう、ちらりと視線を送る。返ってきた反応はといえば・・・。
++++++ くるるさん
「ずるいですよ......僕もラキオさんに罵って貰いたいのに......」
隣の先輩のような人はただのドMのようだ。
私は諦め色とりどりの弁当と、饒舌な人の頭を見比べる。
仕方ない、私が一人で戦うしかない。
「それでは聞きますけど、その頭の飾りはなんですか? 色とりどりで機能性がない様に見えますけど? 頭を隠したいならもっと地味なカツラにした方がいいんじゃないですかねぇ?」
「君にはセンスというものがないのかい? 思考が出来ないなら、街路樹の代わりにでもなったらどう? 二酸化炭素を出すだけだから、なんの役にも立たないけどね」
饒舌な人はフンっと言いながら、リポビタンDとヘパリーゼを手に取った。
++++++ ちみにぃさん
派手な羽カツラの饒舌な人の横、先輩のようなドMから「僕だって罵られたいのに……」と訴える妬みの視線が向けられているのは無視して、
「その無駄に派手なカツラより、マリモでも乗せておいたらいかがですか? ペラペラと無意味な憎まれ口と共に吐き出す二酸化炭素を、酸素に変換してもらう方がよほど有意義でしょう」
++++++ いとま
「ほら有意義なマリモのせてやりますよ!!!!まずは羽むしってやる!」
と僕は派手な羽カツラの饒舌な人の羽を一本一本丁寧にむしった。
「な、なにをするんだ!」と叫ぶのを無視し、
「お前のむしった羽有効的つかわねぇとな、この羽某狸のところで売却してその金で
マリモを買ってきてやる、今度来店するときマリモ乗せてやるからな!」
と言い残し俺は店を去った。