夢の果て無数の矢の雨が飛び交う戦火の中。
ここはおれの元いた“息吹の”ハイラル。
魔物達が矢を頻りに放ち、その魔物の数も多勢に無勢で、壊れかけの建物の壁に身を寄せ敵の攻撃を凌ぐので精一杯。
矢が上からも横からも飛んできて鼻先を掠めた。
おれの腕の中にはぐったりとしたリンクが、腹部や胸に矢を受けて倒れていた。
おれも腕や背中に数本の矢を受けたまま、それでも構っていられずに、青白い顔をしたリンクの血糊にまみれた手をひしと握り締めた。
リンクの傷口を必死で押さえつける。
だが、矢じりに毒でも塗られていたのか、傷口からはとめどなく血液が溢れた。
「クソ…ッ!!クソ、クソクソクソ……ッッッ!!!止まれ………!!!止まれったら!!!」
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