Miracle Night「まさか、事務所でいなり寿司パーティーが開かれていたとはな」
「ふふっ、本当は葛之葉さんの誕生日パーティーだったなんてね」
「おかげで夕飯作らなくて済んだな」
事務所から出る冬馬と北斗。仕事終わりに事務所に寄ると、そこではいなり寿司パーティーもとい、雨彦の誕生日会が開かれていた。
大所帯のパーティーに、ついつい長居をしてしまった。本当は北斗から夕食を作ってほしいとお願いされていたが、皆が作った様々な味のいなり寿司をいただいてしまい、二人の腹は満たされてしまった。
「夕飯はこの次な。俺、自分で帰るよ」
「せっかくだし送っていくよ。乗っていって」
事務所近くのパーキングに停めた車に戻り、キーレスで鍵を開ける。ハザードが瞬き、ガチャリと鍵が開く音がした。
1324