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    sumibosi

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    リウレディでアオハル小説書いた

    リウレディ ハロウィンパーティ ー伯爵の花嫁ーバグの不具合がなかなか治らない中、オフィスのハロウィン仮想パティーに来ていた。

    長机の角に気だるげに座る高身長の青年。
    後頭部に結んでいた髪を珍しく髪を下ろし、ケープは伯爵。長い前髪で隠れた右目はわからないが、左目の目元には普段ないクマがある。本物さながらな吸血鬼の格好でぼんやりとオフィス内を眺めていた。

    「リウ…すごいクマね⁇」

    初期髪から見えるはずの瞳を包帯でぐるぐる巻きにし、ところどころ包帯で体を覆う女性が現れた。ゾンビがテーマなのだろうが、ピッタリと巻かれた包帯のせいでセクシーな体つきがより際立っている。

    「眠れなかったんですよ…」

    リウと呼ばれた青年は大きなため息と共に目頭を指で抑える。
    メイクだと思っていたそのクマはどうやら自前らしい。

    「推しがコスプレするんですよ⁇!寝られるわけないじゃないですか!!」

    カッと目を見開き、奇声と共に訴えかける姿は完全にオタクである。
    口を閉じればイケメンなのに…といつものように心の中にしまい込んで、アルスはやれやれと首を振る。

    「そんな顔でこれからレディちゃんに会うの⁇」

    奇声を制するように話題を変える。
    そう。今日はリウの彼女であるレディに会う予定だったのだ。
    本来ハロウィンの会場で会う予定だったのだが、彼女のような特殊な生まれの星の子たちは不具合を起こすようで、会場手前のオフィスでパーティを楽しむ子達が多い。リウとレディも、オフィスで落ち合うことになっていた。ちなみにそれぞれ仮装内容は秘密である。

    「…もちろんメイクだって誤魔化しますよ」

    先ほどのオタクとは思えないソワソワ具合で答える。
    どうやら推しと彼女は別枠のようだ。
    アルスは室内を見渡し、こちらを伺う女の子たちに目がいく。瞳が包帯で巻かれているせいで、目が合っていることに気づかないのか、こちらを見ている女の子たちはアルスなどお構いなしにリウを盗み見していた。
    口を開けば残念なオタクだが、黙っていれば彼はイケメンなのだ。先の奇声を彼女たちは聞いていなかったのだろう。頬を染めて、こちらの様子を伺っている。

    「と、トリックオアトリート」

    どこからともなくやってきた小さなお化け。
    ぼんやりしていた二人はギョッとして見下げると、ハートの触覚が生えた布を被ったお化けが小さな手を伸ばして菓子をねだる。

    「レディ⁇」

    触覚と身長から見て彼女だ。
    だがアルスは首を傾げて彼女に問う。

    「あら⁇レディちゃん
    あなた仮装内容変えたの⁇」

    ビクッと触覚が跳ねる。彼女の触覚は一体どうなっているのかは、星の子7不思議に入れてもいいぐらい本人の感情に敏感である。

    「い、言わないでっ」
    「あらどうして⁇だってお揃いに「わあーーーーーーー⁇‼︎」

    思わず大きな声をあげたせいか、何人かがこちらを振り返りコソコソと話している。

    「妹…⁇いや、娘⁇」

    最低身長のレディは、誰かのコソコソ話が聞こえたのだろうか、触覚が大きく項垂れ、ねだったはずの手を引っ込める。
    心配そうに見つめるリウと、何かを悟ったアルスはレディの前にしゃがみ込む。

    「レディちゃん。下は元の仮装を着ているの⁇」

    小さく頷くレディに心配になったリウも椅子から降りて共にしゃがむ。

    「大丈夫よ。あなた可愛いもの。気にしないで堂々といればいいわ」

    頭からすっぽり被った白い布をギュッと掴む。
    彼女は生まれが特殊の関係で、見た目がかなり幼く、小さい自分がコンプレックスなところがある。カップルじゃなくて兄妹と間違われれることが多く、人が多いところで二人っきりになることを避けていることが多いため、今自信がないのであろう。

    同じく察したリウが、小さな手を握る。

    「ほら!彼氏しっかりしな!」

    バン。ときつめの一発を背中に喰らったリウは「うっ」と悲鳴をあげる。
    背中をさする頃にはアルスは手を振って去っていった。近くにいた女の子たちは、アルスが彼女じゃなくて小さいのが彼女という事実に困惑しているようだ。こちらを見てヒソヒソしている。

    「レディ」
    「…」

    「俺とお揃いにしてくれたの⁇」
    「…!」

    雄弁な触覚が肯定と告げる。愛おしい彼女にゆっくりと確認する。

    「レディのバンパイア…見たいな。見てもいい⁇」

    触覚がどうしよう。と言わんばかりに揺れる。
    あぁ。この可愛い彼女を今思いっきり抱きしめたい。と欲求に駆られながら、彼女の答えを律儀に待つ。

    やがて小さく頷くレディに、ありがとう。めくるね⁇と優しく言いながら、ゆっくりと足元の裾を掴んで頭の上まで持っていく。

    「…」

    コウモリケープにいつもの楽園のズボン。赤い角を生やして、少しメイクもされている。
    頬を赤らめて、もじもじしながらこちらの様子を上目遣いで見ている。

    束の間

    周りの女の子からの小さな悲鳴が聞こえる。
    レディは目を白黒させて、近かった顔が離れていくリウを見つめる。
    ぼんやりしているとまた顔が近づいてきた。
    今度ははっきりとわかる。これはキスだ。
    2回もされた。こんな人混みの中で。

    「ーーーーーーーーーーーー?!?!!!」

    手で口元を隠し。真っ赤になりながらワナワナと震える。

    「あーーごめん。我慢…できなかった」

    はぁぁと言いながらリウは耳を赤くさせて謝罪する。
    照れている彼はとても貴重な姿だ。よっぽど我慢できなかったのだろう。
    こちらを伺う彼の姿も珍しく、可愛い。

    「変じゃ、ないかな…」

    レディはようやく口を開いた。
    まだ頭にかかっている白い布を握りしめながら、恥ずかしそうにしている。
    抱きしめたい。キスしたい。の欲求を殺して、リウは愛おしそうに微笑んだ。

    「似合っている。…俺の花嫁さんみたいだね⁇」

    最後は少し意地悪そうに言うが、彼は嘘をつかない。
    白い布がちょうどベールの役割を果たしていたのであろう。
    脱ぎ捨てようとするところを、リウはレディを抱き抱えて歩き始める。

    「じゃぁ、師匠のところに行こうか。お菓子大好きな…俺の花嫁さん♩」

    完全に最後はイタズラである。
    トリックオアトリートしていないのに、解せぬ。

    顔を真っ赤にしながら、このかっこいい彼氏をどうイタズラ返ししてやろうかと。レディは後でアルスに相談すると固く誓ったのであった。

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