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    mhyk ファとネのSS練習すごくみじかいやつ

    ##まほやく

    「せっかく天気もいいしさ、今日は外で昼飯にしねえ?」
     授業も討伐もない休日の朝。引きこもりがちなファウストが珍しく朝食の時間に顔を出したので、皿を下げに来た彼にネロはそう提案した。
    「外って?」
    「あーほら、そこの森の。若いのがよく遊んでるとこあるだろ」
    「ああ……」
     そこの、と指された方角にある魔法舎近くの森の中には少し開けた空間がある。日当たりのよいその場所は、普段は若い魔法使いたちの遊び場だったり、ミスラのお昼寝スポット(?)だったりするが、今日はそのどちらも討伐や用事で出払っているため先客はいないだろう。
     その時はそこまで考えていたかネロ自身怪しかったものの、先生の好きなものも詰めてくからさ、と言えば少しの思案の後ファウストは首を縦に振った。

     そして昼。ランチバスケットに魔法で料理を詰め、二人で連れ立って森へと向かう。箒で飛ぶほどでもない距離を雑談しながら歩くと、あっという間に目的地に着いた。
     森の中でも木陰の少ない開けた空間をぐるりと見回し、人の気配がないことを確認する。
    「うん、やっぱり誰もいないな」
    「そうじゃなかったらすぐ帰ってたよ」
     軽い調子で言いながらファウストが魔法でテーブルと椅子を呼び、そこへネロがバスケットから次々と料理を取り出し並べていく。
    「……外で食べると言うから、もっと軽食かと思っていたのだけど」
     茹で野菜ではなく瑞々しいサラダ。湯気を上らせるスープ。紙で包まれたバゲットサンドではなく皿に盛られたガレットが出てきたところで、ファウストは口を挟んだ。
    「ピクニックっぽいのでも良かったんだけど、ここ魔法舎から近いだろ?持ち運び時間の心配もないし、こういうのもいいかなって思ってさ」
     そう言いながら並べられたカトラリーは魔法舎の食堂でも使っているものだ。しかしシルバーにはいつもの魔法舎の天井ではなく、雲のすこし残った青空を写し出している。
     すこしちぐはぐなそれに、ふふ、と小さく笑い声を漏らすと、配膳を終えたネロがこちらを見て不思議そうに首を傾げた。
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