センコウハナビ「ハナビ?」
「恭二さんに貰ったんだ。マグルの祭りで使われるんだと。火花が出るらしい」
「そんなの杖ふりゃすぐだろーが」
「マグルは杖を持ってない」
少し頭を使えばわかるだろうに。短絡的なアイツにやれやれと頭を振りながら、透明なビニール袋を破り、説明書きを見る。
恭二さんはマグル出身だ。時々マグル界に帰った後、こうしてお土産を買ってきてくれる。俺や隼人さんたちの、密かな楽しみだ。今回は「夏祭り」に行ったらしく、そのおすそ分けだと言っていた。
「えーと、バケツに水と、ライターを用意する」
「マグルらし」
アイツは杖をひと振りして、俺が持ってきていたタライに水を張る。途端に重みを増したそれを俺は慌てて地面に下ろし、ハナビの一つを手に取る。
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