あなたのせいです「遅かったな、オスカー」
「ブラッドさま!?」
オスカーがビームス家の奉公人として働き始めて約1ヶ月。オスカーが皿洗いを終えて自室に戻ると、寝巻き姿のブラッドがオスカーのベッドに腰掛けていた。
オスカーが奉公を初めて以来、ブラッドの初めての帰省だ。夜遅くにこちらに到着したと聞いていたため、今日は会えないと思っていた。会えると分かっていればもっときちんと出迎えたのに。すでにブラッドに見られてしまっているが、腕捲りしたままだった袖をそっと伸ばした。
「すみません。今日はもうおやすみになられたのかと思っていました」
「謝らなくていい。俺が勝手に押しかけただけだからな」
ブラッドに促され、隣に腰かける。こぶし2つ分ほどの距離をとって座ったが、ブラッドに詰められてしまった。自分のベッドだというのに居心地が悪い。
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