とある石碑の話 我はこの地を見守る石碑。
元は魔族だったが、石碑の仮面に魂を宿してこの地をずっと見守っている。
この地は数百年前に忌まわしき悲劇があり、その時に一度滅びている。我もその時に命を落とし、生き残ったのは幼い王子殿下ただ一人。
さて、話好きでここに留まる我の話を聞いてもらおう。
昔々の、滅びてから今までのネクロデアの話を。
悲劇は突然に起こった。
バルディスタの卑劣な将軍、ゾブリスが攻め入ってきたのだ。
ヤツは幻術を使い、味方同士を殺し合わせ、我らを皆殺しにした。
幼い王子殿下を人質に取られた魔王陛下はその手で王妃陛下を迷わず殺し、解放されたと見せかけた幻術の王子殿下に胸を刺し殺された。
美しく鉱夫たちの歌声が響く国が、一瞬にして血の海になったのだ。
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