カタカタとキーボードを叩きながらいつになっても慣れないパソコンを睨みつける。
「また眉間に皺寄ってるぞ。」
向かいの席に座った同期から飛んでくるお決まりの台詞を聞きながら、冷めかけのコーヒーに手を伸ばした。
「今年は寒い時期だよな。来る方も俺らも大変だ。」
市の職員として働き始め、配属された観光課で帯同する隣県の宿泊学習。
住み慣れた街にも関わらず、昨年初めて参加したときには目まぐるしく変わるスケジュールに先輩の後を付いてくのに精一杯だった。
昨年の経験をぜひ活かすようにと2年目の自分には荷が重い作業まで今年は任されることになり、毎日山のように送られてくるデータにひとつひとつ目を通しながら今日も進まない資料の作成にほとんどの時間を費やしている。
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