骨川の日記総じて、あまり困った事はない。
そう言う経験がないというのは後々になるとより深刻だと言われるが、作中に語る骨川羅夢は、経験のなさこそ後々になれば、よりどうにでもなると言う。
幼少期から恵まれた家庭環境に身を置き、よく周囲にマウントを取っては縁を切られたり罵られたりしてきたが、それすら全部含めて僻みであって、気にする事はない。
気にすると言うなら、それだけ大事な縁だったと思っていたという事で、誠心誠意謝れば許してくれるというのも、彼の家庭環境故の見解だ。
「今年も僕は別荘に」
そこまで行って、ああその期間は皆に会えないんだなぁと思ったこともある。
高校生にもなるとそんな振り返りは些細なもので、幼少期の自分は寂しがりだったんだと思う程度。本人も気づかない所で、まだ寂しいと感じているのは、もっと大人になってからきっと自覚するだろう。
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