Tell me your heart! 鏡を覗き込んだ瞬間、サボは違和感に眉をひそめた。
「……32?」
頭上に数字が浮かんでいる。頭の上に手をかざすがそこには何も無い。
何の数字なのか分からない。年齢でもなければ体重でもない。もしや自分の寿命とか?……それはそれでショックだ。
ぼんやりと鏡を見つめていると、「おはようございまーす!」と数人の仲間たちが声をかけて通り過ぎていく。
ひょっこりと顔を出して彼らを見やると、54、58、65とそれぞれ数字が浮かんでいた。
昨日までなかったはずのこれは一体何なのだろうかとサボが唸っていると、こちらに一つの音が近づいてきた。
「おはようサボくん」
声のした方を振り返ると、木箱を抱えたコアラが立っていた。
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