フラキラな春フラキラ→男子高、春、ネクタイありセーター、いとこのフラガ先生やってくる
◇
キ「(はあ…めんどくさいなあ)」
僕らの束の間の休息、春休みが終わってしまったので、今日はとうとう始業式。
今日から僕は高校2年生だ。とはいえ、通う場所は変わらないから、特に特別さとか新鮮さとかはない。
ガヤ「久しぶり〜」「お前生きてたか?」「2週間で生き返れるわけ」
式の方はどうやら今は新しいクラスの担任を発表しているらしいけど…、そんなことより僕は睡魔と絶賛格闘中だ。
ぼんやりと遠くに司会の先生がクラス順に担任の先生を発表している声を聞きながら、僕はまどろみの向こうへ引きずられていった…。
ガヤ「え!?うちらのクラスの先生かっこよくない!?」「誰あのイケメン!」「野郎かよ…おい!女子うるせえよ」
友「…ラ、…キラ」
キ「…ん〜…」
友「起きろってキラ。もう式終わったぞ〜」
キ「…え!!もう!?僕たちの担任、誰だった?」
友「お、おお…居眠りしてたやつとは思えない元気っぷりだな笑 なんか今年やってきた野郎なんだと。はあ〜綺麗なお姉さんが良かったな〜」
キ「へ〜どんな人なんだろ?」
友「なんか女子達が黄色い声を浴びせまくってたぞ。よくあれで寝られるよな〜」
キ「あ、あはは…」
「(女子が興奮するってことはかっこいい先生なのかな。どんな人なんだろう)」
僕には、めちゃくちゃにかっこいい、いとこのお兄さんがいる。
歳は一回りくらい離れてるから、かなりのお兄さんって感じだけど、いつも優しく遊んでくれるその人に、僕はいつも甘えまくっていた。
僕に話しかけてくれる時の笑顔が最高にかっこよくて、僕はいつしかその人に淡い恋心を抱いていた。だってしょうがないじゃん。あの顔はずるいもん。
僕がこの学校を選んだのも、そのお兄ちゃんが通っていたところだからだ。
地域で一番頭のいい学校だったけど、同じ景色を見たい一心で必死に勉強して、どうにか入学することができた。
そのおかげで、なんとセーターを授かることができた!!わーい!
ちょっと僕には大きいけど、いつもそのお兄ちゃんに抱きしめられているみたいで、嫌なことがあってもこのセーターがあればなんでも許せた。
今の僕は天使になれるかもしれない。(指定の制服)
そんな僕が犬のように懐きまくっていたお兄ちゃんだけど、大学を卒業したタイミングでどこかへ引っ越してしまった。それまでは近所に住んでたのに…。
もうあの笑顔が見れなくなるんだと、引っ越してしばらくの間、僕はあまりのショックで不穏なオーラを放っていたらしい。
それぐらい衝撃の事件だった。
あのお兄ちゃんとは忙しいのか最近連絡もとれていないけど、元気かなあ。
僕の担任の先生は、あのお兄ちゃんを超えられるイケメンなのかな。
キーンコーンカーンコーン
ガヤ「うちらのクラスの先生遅くない?」「新任だから迷子になってるんじゃねえ?」
ム「誰が迷える子羊だって?」
ガタタッ キャー!!!
ム「待たせてすまなかったな。とりあえず皆席につけ〜」
キ「(え…?あの顔……まさかだよね…?いやでもそんなわけ…)」
ガヤ「フラガ先生カッコいい〜!!!うち今年は絶対休まないわ」
キ「(フラガ…!?まさか本当に…!!?)」
目が合う。ムウがキラにウインク
キ「はぅ…!(この感じは間違いない…!)」ガヤ「キャ〜先生がうちにウインクした!」「あんたじゃなくてあたしにに決まってるでしょ!」「私よ!!」
キ「(な、なんだ…僕にじゃないのか…ちょっと恥ずかしい…)」
ム「こほん。え〜そろそろいいか?」
しーん
ム「随分と賑やかなお出迎えだな。いや〜ありがとう。
さっきの始業式でもあった通り、今日から一年、このクラスの担任をすることになったムウ・ラ・フラガだ。
俺がこの学校に来たのは今年だが、実はここの卒業生でもあるんだ。だから学校のことはお前たちより詳しいぞ。絶好のサボり場所についてもな。
なんてな。まあ、これから一年よろしく!」
パチパチ…
厶「じゃあ、また9:00からHR始めるから、一旦休憩な」
キ「(わ〜!あの感じ本物だ…!どうしよう…!久々に見たからか緊張が…。とりあえずトイレ行こう!)」
ガタッ タッタッタッ…
それを見るムウ
キ「(え〜っとトイレは…)」
厶「突き当りを右だ」
キ「!!!ムウさん!!」
厶「よっ。久しぶりだな〜。俺よりもトイレが先だなんて冷たいな〜キラくんは。お兄さん泣いちゃうぞ」
キ「だ、だって…!久々に見たら緊張しちゃって…!!…しかも言ってくれなかったじゃん…来るって」
厶「いや〜ちょっと驚かせたくてな。お前のご両親にも内緒にしてもらってたんだ。すまなかった。…でも約束しただろ?ちゃんとお前のところに帰ってくるって」
キ「!!…覚えてたの?」
厶「あったりまえよ。忘れるわけ無いでしょう?好きなやつとの約束を。」
キ「へ!!?///す、好きっ…!?だって…僕も……」
厶「なんだお前気づいてなかったのか?
俺がここに着任できたのだって、ずっとお願いしてやっとのことだったんだぞ?
でもまあ、お前はすごいわかりやすかったからな〜笑
「これで確定だな?」
キ「は、はい…///」
厶「…まあ、というわけだ。これからよろしくな、俺の小さな恋人さん?」
キ「はい」
厶「そういえばこのセーター、お前にはまだ大きいな?」
キ「…!すぐ追いついてみせるよ!」
厶「ふふ。楽しみだな〜?」
キ「あ!バカにしてるでしょう?」
厶「いや〜やっぱり可愛いな〜」よしよし
キ「ムッ…子ども扱いしないで!」
厶「おっと、学校では敬語な?」
キ「ムムッ……子供扱いしないでください」
新しい季節、新しいクラス、そして…僕たちの新しい日々が始まった。